庶民派を売りにする菅義偉・首相だが、資産面では、いまや政界有数のセレブ政治家と見るべきだ。その富はどのように築き上げられたのか。ルーツは横浜市議時代にあった。
雪深い秋田の農家の長男に生まれ、「集団就職」同然に東京へ。「地縁・血縁のない私が政治の世界に飛び込んで、ゼロからのスタートだったが、歴史と伝統ある自由民主党の総裁に就任させていただけた」──それが菅首相が語るサクセスストーリーだ。
菅氏の自宅は横浜駅から徒歩数分のウォーターフロントに建つタワーマンション。広さ約100平米の、「時価1億5000万円は下らない」(地元の不動産業者)という億ションだ。
閣僚の資産公開によると、このタワマンの他、4427万円の金銭信託、ゴルフ会員権(相場は約450万円)を所有。
資産公開では現金や普通預金の金額は非公表とされているが、タワマンと金銭信託、ゴルフ会員権だけで時価2億円にのぼる資産だ。
「裸一貫」で秋田を出てから、どのようにこれほどの資産を築いたのか。
3年間でローン返済
菅氏は大学卒業後、小此木彦三郎・元建設相の秘書を11年間務めた。この秘書時代に真理子夫人と結婚、新婚生活の振り出しは木造アパート2階の「8畳2間」だったという。
38歳で横浜市議選(1987年)に当選すると、横浜政界の実力者だった小此木氏の直系市議として頭角を現わし、“影の市長”と呼ばれるほど市政に力を持った。この時代に資産形成術のルーツがある。その頃、横浜市西区の賃貸マンション住まいだった菅氏は、1992年に同じ西区の5階建てマンションの最上階の部屋(約95平米)を購入した。
「当時はバブルの名残で不動産価格が高く、相場は7000万~7500万円程度でした」(前出の不動産業者)