天高く馬肥ゆる秋、いよいよ無敗の二冠馬・コントレイルが始動する。競馬ライターの東田和美氏が考察した。
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神戸新聞杯は過去10年で1番人気が7勝、そのうち5頭は単勝1倍台というように極めて堅いレース。しかも、過去10年の菊花賞馬のうち8頭はこのレースをステップにしている。
しかし、阪神競馬場改修のため今年と同じ中京競馬場で行なわれた2006年は、クラシック2冠のメイショウサムソンが単勝1.6倍に支持されながら2着。また阪神淡路大震災のため京都競馬場で行なわれた1995年もダービー馬タヤスツヨシが1.3倍で5着。この両馬は菊花賞でも勝てなかった。やはり中京競馬場で行なわれた1994年も1.8倍のフジノマッケンオーが4着、これら3頭ほどではないが1991年、1990年も1番人気馬は馬券圏内から外れている。
現在クラシックレースのトライアルで地名がついているのは、このレースだけになったが、菊花賞が菊の季節に行なわれていた1999年までは、この後に行なわれていた京都新聞杯もトライアルだった。改修のため阪神競馬場での開催となった1994年は春のクラシック2冠のナリタブライアンが出走して単勝1.0倍に推されたが、やはり2着に敗れている(ただしナリタブライアンは菊花賞では圧勝し三冠馬となっている)。
単なる偶然なのだろう、と思うし、そんなことを予想のファクターとして重視するつもりはない。ましてや今年は無敗の2冠馬である。競馬場に行かないと、いろいろな発見があるだけのことだ。
それでも、気になってしょうがないから、京都競馬場で行なわれたメルボルンTを勝ったアイアンバローズのワイドでも買ってみる。
●ひがしだ・かずみ/伝説の競馬雑誌「プーサン」などで数々のレポートを発表していた競馬歴40年、一口馬主歴30年、地方馬主歴20年のライター。