最近、芸能人がYouTubeをはじめとしたネットに活躍の場を見出している。かつてはテレビの世界が主戦場だったが、今は必ずしもそうではなくなっている。特にお笑いの世界の場合は、「上が詰まっている」という言い方をされることが多く、ベテランに主要な役どころを押さえられており、もはや「枠」が残っていないケースも。
そんな中、テレビからは引っ張りだこながらも、舞台やネットでも積極的な活動を続けるお笑いコンビ・EXITのりんたろー。(34才)と兼近(29才)に「若手芸人とテレビとネット」について聞いた。
――お2人は上の世代ほどテレビへの執着というか憧れみたいなものがないように感じられます。現在40~50代のいわゆる「ボキャブラ世代」はテレビを主軸として活動し、彼らの冠番組も多数あります。若手の立場から、活動場所としてのテレビの重要性についてお聞かせください。あとは、芸能人と事務所のあり方についても。
りんたろー。:1つ感じるのが、テレビの力が相対的に弱まったのが大きいのでは。今はタレントがテレビに固執しなくなったように感じられます。昔だったら、芸能事務所を辞めた場合、その芸能人をテレビから干したりしたこともあったと聞きます。「ウチを辞めたらテレビに出られないぞ!」とかも言われていたそうです。そういう時代は、絶対テレビに出たい芸能人ばかりだったから事務所を移れなかった。
今だったら、テレビに出られなくなったとしても、自分で発信できるメディアがあります。YouTubeとかがそうですが、テレビに固執しないでいいから事務所を辞めてしまう。事務所が存在する意味が失われ始めているのではないでしょうか。ただ、ぼくが所属する吉本って、芸能人にとっていい部分と悪い部分が混在して残っている事務所かな、と思っています。
社員にとんでもなく世話になっている芸人とかがいますし、劇場を持っているという強みがあります。やっぱり、そういった形でタレントからしたら何かしらメリットを事務所が持っていないと人材は流出し続けるのでは、と思います。(元NEWSの)手越祐也君とかもそうだけど、今後、事務所を辞めるタレントはむっちゃ増えるかもしれません。事務所側もそれに対する対策というか、メリットをタレントに提示しないといけなくなるのではないでしょうか。