フランス革命前後を舞台に男装の麗人オスカルとフランス王妃マリー・アントワネットの数奇な運命を描いた少女漫画の金字塔『ベルサイユのばら』(池田理代子作/集英社)。1970年代から1980年代に爆発的なブームを巻き起こし、いまもなおその人気が衰えることはない。 そこで、『ベルサイユのばら』を40年以上愛し続けている2人の女性に「お宝」を披露していただいた。
『ベルサイユのばら』(以下、『ベルばら』)をこよなく愛し、その魅力を語り合う私設サロン「ベルサイユのばら同好会」のメンバー、酒井オスカル子さん(58才)とベルばら千尋さん(58才)。連載当時まだ小学生だった彼女たちに、少女漫画の金字塔ともいえる「ベルばら」は大きな影響を与えた。そんな2人に、『ベルばら』のお宝について語ってもらった。
連載開始時の『週刊マーガレット』
ベルばら千尋(以下、千尋):『ベルばら』が始まったのは私たちが小学4年生のとき。私は『週刊マーガレット』(以下、『マーガレット』)を愛読していたので、連載が始まったときは、「なんて面白いお話が始まったのだろう!」と胸を高鳴らせたのを覚えています。
酒井オスカル子(以下、酒井):私が『ベルばら』の存在に気づいたのは、連載の終盤。学校の友達が「『ベルばら』って知っている?」ってコミックスを貸してくれて。うわぁ、なんてかっこよくて、面白い漫画なんだと、すぐにハマりました。
でも、バックナンバーはいまみたいに手軽に入手できないから、友達に「読み終わって捨てるならちょうだい」と頼み込んでおさがりをもらったり、古書店を何軒も回って手に入れました。大人になってからも、『ベルばら』が載った当時のマーガレットを探し求めていて、全部そろえるのに、20年以上の年月がかかりましたね。
千尋:わあ、すごい。当時は少女漫画の社会的地位は低く、親から「漫画なんて読んでないで、勉強しなさい!」と言われ、私は『マーガレット』を泣く泣く処分させられましたから、雑誌そのものは手元に残っていないんですよ。