ビジネス

アパレル倒産ラッシュ 来春に深刻化は不可避な情勢か

コロナ禍の5月に倒産した大手アパレルメーカーのレナウン(時事通信フォト)

コロナ禍の5月に倒産した大手アパレルメーカーのレナウン(時事通信フォト)

 長期間に及ぶコロナ休業や外出自粛によって大打撃を受けたアパレル業界。ブランド規模の大小を問わず“倒産ラッシュ”が起きるのではないかと懸念されていたが、今のところ何とか持ちこたえている印象も受ける。だが、「本当の危機はこれから訪れる」と指摘するのは、ファッションジャーナリストの南充浩氏だ。

 * * *
 今春の新型コロナウイルスによる大規模な店舗休業によって、これまで経営が悪化していたアパレルがとどめを刺され、倒産に至りました。

 その中には、かつて日本一だった「レナウン」も含まれていたため、主要顧客の年配層には大きな衝撃が走りました。また経営破綻ではありませんが、同じく経営の悪化によって「セシルマクビー」が全店を閉鎖し、ブランドを終了させることも発表しました。こちらは多くの女性に衝撃を与えました。これが6月までの話です。

渋谷109にも入っていた「セシルマクビー」は全店閉鎖とブランド終了を発表(時事通信フォト)

渋谷109にも入っていた「セシルマクビー」は全店閉鎖とブランド終了を発表(時事通信フォト)

 その後、店舗営業は再開されましたが、どこも売上高のV字回復には至っていないため、「6月以降もアパレルの倒産ラッシュが起きるのでは?」と業界の内外を問わず大きな懸念事項となっていました。

 ところが、7月、8月はほとんど倒産が見られないまま過ぎ、9月も無事に終わりました。ではどうして、6月以降のアパレルの倒産ラッシュが回避されたのでしょうか。その理由について考えてみたいと思います。

 今年3月から始まった営業時間短縮や店舗休業によってアパレル業界はちょっとしたパニックに陥りました。なにせ、3月、4月はアパレル業界ではもっとも洋服が売れる時期のひとつです。そこがまるまる休業になるわけですから、作ったり仕入れたりした商品はほとんど売れません。

 商品が売れないということは製造費や仕入れ代を回収できないことになり、手元の資金が大きくショートする可能性が高まります。このため、3月から在庫処分業者に在庫の買い取り要請が急激に増えました。これについては各業者が口を揃えているので、間違いない動きです。

関連記事

トピックス

4月14日夜、さいたま市桜区のマンションで女子高校生の手柄玲奈さん(15)が刺殺された
「血だらけで逃げようとしたのか…」手柄玲奈さん(15)刺殺現場に残っていた“1キロ以上続く血痕”と住民が聞いた「この辺りで聞いたことのない声」【さいたま市・女子高生刺殺】
NEWSポストセブン
ファンから心配の声が相次ぐジャスティン・ビーバー(dpa/時事通信フォト)
《ハイ状態では…?》ジャスティン・ビーバー(31)が投稿した家を燃やすアニメ動画で騒然、激変ビジュアルや相次ぐ“奇行”に心配する声続出
NEWSポストセブン
NHK朝の連続テレビ小説「あんぱん」で初の朝ドラ出演を果たしたソニン(時事通信フォト)
《朝ドラ初出演のソニン(42)》「毎日涙と鼻血が…」裸エプロンCDジャケットと陵辱される女子高生役を経て再ブレイクを果たした“並々ならぬプロ意識”と“ハチキン根性”
NEWSポストセブン
山口組も大谷のプレーに関心を寄せているようだ(司組長の写真は時事通信)
〈山口組が大谷翔平を「日本人の誇り」と称賛〉機関紙で見せた司忍組長の「銀色着物姿」 83歳のお祝いに届いた大量の胡蝶蘭
NEWSポストセブン
20年ぶりの万博で”桜”のリンクコーデを披露された天皇皇后両陛下(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA) 
皇后雅子さまが大阪・関西万博の開幕日にご登場 20年ぶりの万博で見せられた晴れやかな笑顔と”桜”のリンクコーデ
NEWSポストセブン
朝ドラ『あんぱん』に出演中の竹野内豊
【朝ドラ『あんぱん』でも好演】時代に合わせてアップデートする竹野内豊、癒しと信頼を感じさせ、好感度も信頼度もバツグン
女性セブン
中居正広氏の兄が複雑な胸の内を明かした
《実兄が夜空の下で独白》騒動後に中居正広氏が送った“2言だけのメール文面”と、性暴力が認定された弟への“揺るぎない信頼”「趣味が合うんだよね、ヤンキーに憧れた世代だから」
NEWSポストセブン
高校時代の広末涼子。歌手デビューした年に紅白出場(1997年撮影)
《事故直前にヒロスエでーす》広末涼子さんに見られた“奇行”にフィフィが感じる「当時の“芸能界”という異常な環境」「世間から要請されたプレッシャー」
NEWSポストセブン
天皇皇后両陛下は秋篠宮ご夫妻とともに会場内を視察された(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA) 
《藤原紀香が出迎え》皇后雅子さま、大阪・関西万博をご視察 “アクティブ”イメージのブルーグレーのパンツススーツ姿 
NEWSポストセブン
2024年末に第一子妊娠を発表した真美子さんと大谷
《大谷翔平の遠征中に…》目撃された真美子さん「ゆったり服」「愛犬とポルシェでお出かけ」近況 有力視される産院の「超豪華サービス」
NEWSポストセブン
中居正広氏の兄が複雑な胸の内を明かした
【独自】「弟がやったことだと思えない…」中居正広氏“最愛の実兄”が独白30分 中居氏が語っていた「僕はもう一回、2人の兄と両親の家族5人で住んでみたい」
NEWSポストセブン
『傷だらけの天使』出演当時を振り返る水谷豊
【放送から50年】水谷豊が語る『傷だらけの天使』 リーゼントにこだわった理由と独特の口調「アニキ~」の原点
週刊ポスト