大学祭の一大イベントである「ミスコン」が転機を迎えている。上智大学は今年11月の学園祭でミスコンを廃止し、代わりに性別や国籍を問わないコンテストを新設。青山学院大学でもエントリー資格に性別を問わないミスコンの開催を決め、東大では今年4月学生新聞で「東大ミス・ミスターコン、そろそろ辞めません?」と題する記事が掲載された。
「近年の多様性を尊重する社会の流れのなかで、ミスコンに対して性差別や外見差別を助長するという批判の声が高まっています。既に早稲田大学や法政大学では学内での開催を禁止にしている。容姿で優劣をつけるような従来のミスコンは今後なくなっていくでしょう」(全国紙社会部記者)
しかし困るのが女子アナを目指す学生たちだ。
ミスコンは“女子アナの登竜門”と言われ、元フジテレビの中野美奈子(40・慶應大)や元テレビ朝日の竹内由恵(34・慶應大)、元TBSの田中みな実(33・青山学院大)など数々の人気アナウンサーを輩出してきた。女子アナ志望者からすると、“採用の近道”が一本失われてしまうのだ。
“女子アナ就職活動”は今後どうなるのか。女子アナウォッチャーの丸山大次郎氏が語る。
「“ミス〇〇”という称号に価値があることは確かですが、ブランド力は落ちてきている。代わって重宝されつつあるのが、情報番組などでニュースを伝えたりレポートしたりする学生キャスターです。ネット配信番組も増えたことで、キャスターの枠が広がった。
テレビ局側も即戦力を求めており、話すことに慣れている学生キャスターを積極的に採用している。2019年に入社したフジの藤本万梨乃アナ(24)や2020年に入社した日テレの忽滑谷こころアナ(22)がその例です。ユーチューブなど個人で発信できる場も広がっているので、そうしたことで知名度を上げることが採用につながっていくのではないか」
“初々しいデビュー”なんて言葉もなくなるのかもしれない。
※週刊ポスト2020年10月16・23日号