巨人が独走状態で突っ走るセ・リーグ。コロナ禍でクライマックスシリーズは実施されないため、他球団には早くも“消化試合ムード”が漂う。そんな中、横浜DeNAベイスターズで不穏な事件が起きていた。球団関係者が語る。
「9月に入り、三嶋(一輝・投手)が横浜スタジアム内の選手ロッカーで保管していた現金約10万円を紛失したんです。活躍に応じて球団からもらえる賞金だったそうです。三嶋は『自分の不注意もあった』ということで、以降は選手ロッカー付近の金庫に現金を預けるようにした。ところが、今度は金庫に入れていた約20万円もなくなったという。今季の活躍で“賞金稼ぎ”になった三嶋を狙った仕業ではないか、と大騒ぎになった」
今季の三嶋は、不調の守護神・山崎康晃に代わって抑えに定着し、11セーブ、防御率2.60の好成績を収めている(9月末時点)。チーム内からは「頑張っている三嶋が可哀相だ」との声が上がり、“犯人捜し”の動きも出ているという。別の球団関係者が言う。
「金庫は暗証番号が付いているので、三嶋本人しか開けられない。それなのに紛失したため、『金庫を管理している球団スタッフが怪しい』という話になった。しかし球団は調査に乗り出さず、選手からは『これでは試合に集中できない』という不満も出ている」
渦中の三嶋に尋ねた。
「(賞金の)封筒が薄くなった気がして、『やべえ、10万くらい盗まれたかも』って周りに話してしまった。でも、僕は封筒をもらっても中身を確認しないから、確証はないんです。疑われている人や球団に申し訳ないという気持ちです」
球団は「現金を紛失したとする者が公にすることを望んでいないため、捜査をするなどの対応はしておりません。今後はセキュリティ体制の強化をより一層図ってまいります」(広報部)と回答した。
野球人なら盗むのは“塁”だけにしてほしいものだ。
※週刊ポスト2020年10月16・23日号