国内

韓国で拘束の元産経ソウル支局長「内調入り」で日韓外交は?

元ソウル支局長・加藤達也氏の日韓外交における役割は?(時事通信フォト)

元ソウル支局長・加藤達也氏の日韓外交における役割は?(時事通信フォト)

 共同通信元論説副委員長・柿崎明二氏が報道機関出身者として異例の首相補佐官に抜擢されたことが話題となったが、もう1人、「マスコミ関係者の官邸入り」が政官界で注目を集めている。

「8月末で産経新聞を退社した元ソウル支局長・加藤達也氏が官邸の情報機関である内調(内閣情報調査室)に入ることになったそうです」(大手紙政治部記者)

 加藤氏は2014年に起きたセウォル号沈没事件当日の朴槿恵・前大統領の「空白の7時間」に疑問を呈した記事を書き、「大統領への名誉毀損」として韓国検察当局に起訴された。

 8か月の出国禁止処分を受けたが無罪を勝ち取り、日本へ帰国後は編集委員としてコラムなどを執筆していた。加藤氏が内調入りする背景を前出の大手紙記者が話す。

「安倍政権時代に決まっていた話だそうです。拘束後も韓国当局との法廷闘争を貫いた加藤氏を、安倍政権の“対韓外交の知恵袋”として登用しようとしていた。朝鮮半島情勢の分析チームで危機管理の仕事を任せたかったようです」

 8月4日付の加藤氏のコラム「加藤達也の虎穴に入らずんば」では、ソウルでの拘束事件を回顧しながら〈(韓国では)反日が安易なビジネスツールになる一方、外交問題化しても責任を追及されない〉〈文政権の韓国とは、腹を決めて対処するのみである〉と綴っている。ところが、加藤氏にとって思いがけない展開に。

「加藤さんが内調入りする前に安倍首相が辞めてしまった。首相が替わり、対韓外交も変化することが予想されるなか、韓国側が“罪人”とみなす加藤さんの官邸入りがどう影響するのか、不安の声が上がっています」(官邸担当記者)

 加藤氏に聞くと、「プライベートなことなのでお話しできません」とのこと。内調は「お答えを差し控えます」(内閣情報調査室総務部)とした。

 柿崎氏が菅首相の“一本釣り”と言われる一方、安倍政権の“置き土産”となってしまった加藤氏。マスコミ関係者の官邸入りは明暗が分かれるか。

※週刊ポスト2020年10月16・23日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

現在はアメリカで生活する元皇族の小室眞子さん(時事通信フォト)
《ゆったりすぎコートで話題》小室眞子さんに「マタニティコーデ?」との声 アメリカでの出産事情と“かかるお金”、そして“産後ケア”は…
NEWSポストセブン
まさに土俵際(写真/JMPA)
「退職報道」の裏で元・白鵬を悩ませる資金繰り難 タニマチは離れ、日本橋の一等地150坪も塩漬け状態で「固定資産税と金利を払い続けることに」
週刊ポスト
精力的な音楽活動を続けているASKA(時事通信フォト)
ASKAが10年ぶりにNHK「世界的音楽番組」に出演決定 局内では“慎重論”も、制作は「紅白目玉」としてオファー
NEWSポストセブン
2022年、公安部時代の増田美希子氏。(共同)
「警察庁で目を惹く華やかな “えんじ色ワンピ”で執務」増田美希子警視長(47)の知人らが証言する“本当の評判”と“高校時代ハイスペの萌芽”《福井県警本部長に内定》
NEWSポストセブン
ショーンK氏
《信頼関係があったメディアにも全部手のひらを返されて》ショーンKとの一問一答「もっとメディアに出たいと思ったことは一度もない」「僕はサンドバック状態ですから」
NEWSポストセブン
悠仁さまが大学内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿されている事態に(撮影/JMPA)
筑波大学に進学された悠仁さま、構内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿「皇室制度の根幹を揺るがす事態に発展しかねない」の指摘も
女性セブン
奈良公園と観光客が戯れる様子を投稿したショート動画が物議に(TikTokより、現在は削除ずみ)
《シカに目がいかない》奈良公園で女性観光客がしゃがむ姿などをアップ…投稿内容に物議「露出系とは違う」「無断公開では」
NEWSポストセブン
ショーンK氏が千葉県君津市で講演会を開くという(かずさFM公式サイトより)
《ショーンKの現在を直撃》フード付きパーカー姿で向かった雑居ビルには「日焼けサロン」「占い」…本人は「私は愛する人間たちと幸せに生きているだけなんです」
NEWSポストセブン
長女が誕生した大谷と真美子さん(アフロ)
《大谷翔平に長女が誕生》真美子さん「出産目前」に1人で訪れた場所 「ゆったり服」で大谷の白ポルシェに乗って
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』でW主演を務める中井貴一と小泉今日子
なぜ11年ぶり続編『続・続・最後から二番目の恋』は好発進できたのか 小泉今日子と中井貴一、月9ドラマ30年ぶりW主演の“因縁と信頼” 
NEWSポストセブン
第一子出産に向け準備を進める真美子さん
【ベビー誕生の大谷翔平・真美子さんに大きな試練】出産後のドジャースは遠征だらけ「真美子さんが孤独を感じ、すれ違いになる懸念」指摘する声
女性セブン
同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン