芸能

J.Y.Park、金言つまった自伝が韓国でヒット お笑いの素質も

韓国でベストセラーになっているJ.Y.Park氏の自伝『何のために生きますか?』(撮影/趙章恩)

 ソニーミュージックとJYPエンターテインメントとの共同オーディション番組『Nizi Project』での数々の名言が話題を呼び、結成した日本人ガールズグループ「NiziU」を成功へと導いたことで、大きな注目を浴びた韓国人プロデューサーのJ.Y. Park(パク・ジニョン)氏。8月12日、同氏の自伝『何のために生きますか?』(原題)が韓国で発売されると瞬く間にベストセラーとなり、韓国で再び脚光を浴びているという。ソウル在住のKDDI総合研究所特別研究員・趙章恩さんが解説する。

 * * *
 韓国では今、J.Y.Park 氏の自伝『何のために生きますか?』が話題だ。発売されてから2か月近くが経つが、発売後すぐにエッセイ部門でベストセラー1位となり、その後も上位にランクインし続けている。著書では主に、同氏のこれまでの苦労の人生や現在の生き方、未来に対する考え方や哲学などが余すところなく語られている。前半は、23才でデビューするまでの道のりや、5年かけて準備した米国進出が2008年に起きた「リーマン・ショック」でとん挫し、挫折を味わったことなどが語られ、後半は、同氏が大きな影響を受けたという聖書によって自分がどう変わったかなどの宗教観が綴られている。

 これまで、ダンスやセクシーなパフォーマンスが得意なプロデューサー兼歌手というイメージが強かったため、「聖書の中に答えがある」と話す同氏の考え方を意外に感じた人は多かっただろう。この意外な一面を感じさせるところが、今回ベストセラーにつながった理由の一つかもしれない。もちろん、「人に見られる姿が自分の本当の姿であるべき」、「人に知られて問題になるようなことはしないのが人生の基準」、「健康に良いことを探すよりよくないことを避ける」、「ビジネスは経済共同体ではなく価値共同体」といった、同氏ならではの名言も豊富に掲載されている。

 J.Y.Park氏の有名な名言の一つに、「音楽はハートで考え頭で完成する」という言葉がある。同氏が韓国のオーディション番組の審査員だった頃、シンガーソングライターを目指す参加者らに何度も言っていた言葉だ。これは、感情に頼って曲を作ると似たり寄ったりの曲しか作れないし、頭だけを使っても大ヒットにはつながらない、という同氏の持論。音楽に情熱を傾けるのはもちろんだが、トレンドを把握して差別化できるポイントを作り出し、ディテールにこだわるなど頭で計算する必要もあることをかなり前から強調しており、こうした彼ならではの哲学が現在の成功につながったと言える。

関連キーワード

関連記事

トピックス

被害者の手柄さんの中学時代の卒業アルバム、
「『犯罪に関わっているかもしれない』と警察から電話が…」谷内寛幸容疑者(24)が起こしていた過去の“警察沙汰トラブル”【さいたま市・15歳女子高校生刺殺事件】
NEWSポストセブン
NHKの牛田茉友アナウンサー(HPより)
千葉選挙区に続き…NHKから女性記者・アナ流出で上層部困惑 『日曜討論』牛田茉友アナが国民民主から参院選出馬の情報、“首都決戦”の隠し玉に
NEWSポストセブン
豊昇龍(撮影/JMPA)
師匠・立浪親方が語る横綱・豊昇龍「タトゥー男とどんちゃん騒ぎ」報道の真相 「相手が反社でないことは確認済み」「親しい後援者との二次会で感謝の気持ち示したのだろう」
NEWSポストセブン
フジテレビの取締役候補となった元フジ女性アナの坂野尚子(坂野尚子のXより)
《フジテレビ大株主の米ファンドが指名》取締役候補となった元フジ女性アナの“華麗なる経歴” 退社後MBA取得、国内外でネイルサロンを手がけるヤリ手経営者に
NEWSポストセブン
「日本国際賞」の授賞式に出席された天皇皇后両陛下 (2025年4月、撮影/JMPA)
《精力的なご公務が続く》皇后雅子さまが見せられた晴れやかな笑顔 お気に入りカラーのブルーのドレスで華やかに
NEWSポストセブン
2024年末、福岡県北九州市のファストフード店で中学生2人を殺傷したとして平原政徳容疑者が逮捕された(時事通信フォト)
《「心神喪失」の可能性》ファストフード中学生2人殺傷 容疑者は“野に放たれる”のか もし不起訴でも「医療観察精度の対象、入院したら18か月が標準」 弁護士が解説する“その後”
NEWSポストセブン
被害者の手柄さんの中学時代の卒業アルバムと住所・職業不詳の谷内寛幸容疑(右・時事通信フォト)
〈15歳・女子高生刺殺〉24歳容疑者の生い立ち「実家で大きめのボヤ騒ぎが起きて…」「亡くなった母親を見舞う姿も見ていない」一家バラバラで「孤独な少年時代」 
NEWSポストセブン
6月にブラジルを訪問する予定の佳子さま(2025年3月、東京・千代田区。撮影/JMPA) 
佳子さま、6月のブラジル訪問で異例の「メイド募集」 現地領事館が短期採用の臨時職員を募集、“佳子さまのための増員”か 
女性セブン
〈トイレがわかりにくい〉という不満が噴出されていることがわかった(読者提供)
《大阪・関西万博》「おせーよ、誰もいねーのかよ!」「『ピーピー』音が鳴っていて…」“トイレわかりにくいトラブル”を実体験した来場者が告白【トラブル写真】
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者
《広末涼子が釈放》「グシャグシャジープの持ち主」だった“自称マネージャー”の意向は? 「処罰は望んでいなんじゃないか」との指摘も 「骨折して重傷」の現在
NEWSポストセブン
大阪・関西万博が開幕し、来場者でにぎわう会場
《大阪・関西万博“炎上スポット”のリアル》大屋根リング、大行列、未完成パビリオン…来場者が明かした賛&否 3850円えきそばには「写真と違う」と不満も
NEWSポストセブン
真美子さんと大谷(AP/アフロ、日刊スポーツ/アフロ)
《大谷翔平が見せる妻への気遣い》妊娠中の真美子さんが「ロングスカート」「ゆったりパンツ」を封印して取り入れた“新ファッション”
NEWSポストセブン