いま不倫をしている女性はどのような心理なのか。働き方や家族との時間が見直され、新しい生活様式が進められる一方で、道ならぬ恋を貫く男女も岐路に立たされていた。彼女たちがコロナ禍の間に交わしたLINEを覗くと、離れていればこそヒートアップする赤裸々な姿があった。
「はじめは緊急事態宣言まで出てどうなるのかなと不安でしたけど、コロナがあったからこそ、彼とは一層燃えたような気がします」
そう語るのは司法書士のシオリさん(40)だ。黒髪に控えめなメークが女優の木村多江に似た雰囲気の女性だが、不倫相手の前では大胆になるという。飲み会で知り合ったコンサルタント業の男性(51)とは、お互い家庭のあるW不倫の関係で、1年ほど続いている。
「コロナで4月から5月までは会うのを自粛していました。でもだんだんガマンできないってなって、電話でお互いにしながら声を聞かせ合ったり、テレビ電話を使ったりしていましたね。スマホを使ってこういうことをしたのは今回が初めてでした」
シオリさんたちのLINEのやり取りでは〈まだ寝ない?〉と確認して遅い時間までお互いのどこが好きなのかを語り合ったり、ベッドで〈したい事〉を恥ずかしそうに明かしたりしていた。男性が〈中坊(中学生)かと、思ってしまう〉と自嘲するほど、初めての恋愛を愉しむ中学生のように、お互いへの気持ちを素直に語り合っているのがわかる。
「彼のことを一番信用していますし、一番会いたい人なんです。なんでそこまで彼にハマっているかというと、彼は私だけじゃなくて家族のことも大事にしているから。不倫関係とはいえ、他に複数の女がいるような男性は嫌。それに彼は奥様を大切にしていて悪口を言うこともないしセックスレスでもない。そのほうが、私がただの性欲のはけ口ではないって思えていいんです」