ただでさえ億劫な通院、院内感染への不安もあってためらう人が多いという。だが、『放っておくとこわい症状大全』(ダイヤモンド社)の著者で循環器内科の名医・秋津壽男氏は、「些細な体調不良が、死に至る病のサインであることは少なくない」と話す。
「異変に気づくには、普段から『自分の正常』がどういう状態かを知っておく必要があります。日ごろから体温や体重、血圧などを測定して、便や尿の状態も確認しておく。そうすれば異変に素早く気づくことができます」(秋津医師)
コロナ禍で、院内感染を怖れて通院を避ける高齢者が多いという。厚生労働省が発表した「全国の医療機関の患者数の変化」(8月19日)によると、5月の外来患者は前年同月比で2割減少した。
だが、秋津医師はこう警鐘を鳴らす。
「日本人の新型コロナ感染者の死亡率は1%未満ですが、体のサインで見つかる病気には20~30%の確率で死に至る大病もあり、コロナよりはるかに怖い。
最初は総合的に診てくれる町のクリニックを受診すれば、専門の病院を紹介してもらえるので、コロナを過剰に怖れるのではなく、体のSOSにきちんと耳を傾けて、早めに受診してほしい」
※週刊ポスト2020年10月16・23日号