新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、生活やビジネスのさまざまなところでコロナと併存する「ニューノーマル」が提唱されている。婚活も例外ではない。緊急事態宣言以降、ほぼすべての婚活イベントが軒並み中止を余儀なくされるなか、爆発的に増えたのがオンライン婚活だ。婚活の主流はいまや、リアルからオンラインに移りつつあり、コロナの影響が落ち着きを見せ始めた今もその流れは続いている。
リアルではほとんど会わずに、「オンライン婚活」のみでゴールインするという強者カップルも誕生し始めた。今年の4月後半にオンラインで出会い、初めて対面した日にプロポーズし、翌日婚姻届けを提出したカズノリさん(31才、熊本在住、旅行業)とアヤコさん(43才、都内在住、医療関係業務)夫婦に、成婚にいたるまでの話を聞いた。
オンラインでデートを重ね、出会いから約1か月で結婚を決めたカズノリ・アヤコ夫婦。そもそも、なぜオンラインで婚活をしようと思ったのか。
カズノリ:30才を過ぎてそろそろ結婚をと思い、婚活に参加しようと思った矢先にちょうどコロナが流行して、婚活イベントがすべて中止になってしまいました。仕方がないので、オンライン婚活に参加したのがきっかけです。自宅にいながら婚活できる手軽さは自分に合っていたと思います。
アヤコ:私は、もともとオンラインの出会いに抵抗がない方だったので、コロナで自粛生活が続いて外に遊びに行けないなか、結婚が目的というよりも全国の色んな人と気軽に話したいというのがオンライン婚活に参加したきっかけでした。
オンラインであることの不便さはなかったのだろうか。
カズノリ:ほとんどありませんでした。もちろん、実際に対面でお会いした時のように、相手のにおいや放つ空気感みたいなものは分かりません。ですが、ぼくが最初にアヤコさんを見た時、すぐに笑顔がとても素敵な人だなと感じましたし、何度かお話しするなかでも、丁寧に相槌を打つ彼女の姿勢に惹かれていきました。画面からすべてを判断するオンラインでは、相手の良さが対面よりも強調されるような気がします。
リアルで会えない分、2人はオンラインを“駆使”して愛を育んだ。リアルで会えない不安は1度もなかったという。
カズノリ:ZoomやLINE電話を使って、長い時は1日8時間くらい、長時間つなぎっぱなしにしていました。カメラを固定して、ご飯を食べたり、テレビを見たり、お風呂に入ったり、部屋から出る時もつなぎっぱなしです。もちろん会話もたくさんしますが、オンライン“デート”というよりは、オンライン“同棲”ですね。生活スタイルが把握できるという以上に、お互いのすべてが丸裸です(笑い)。常に目の前にいるような感じでお互いに自然体でいたいと思ったので、ぼくから提案しました。
アヤコ:どちらかが寝落ちしていることもよくあるくらい、自然とオンラインを生活に取り入れていました。トイレに行く時やドライヤーをする時など、生活音もすべて相手に分かるので最初は気を使いましたが、慣れてしまえばお互い素でいられてむしろ心地良かったです。