国際情報

池上彰×駐日インド大使対談「多様性がある国の強さとは」

池上彰氏の質問は日印の関係にも及んだ

池上彰氏がインドの経済改革などについて聞いた

 9月15日、India & Japan: Future Forum(#日本インド未来会議)でジャーナリスト・池上彰氏と駐日インド大使サンジェイ・クマール・ヴァルマ氏が対談した。人口13億人を抱え、将来的に国際社会において大きな役割を担うといわれるインド。一方で新型コロナウイルスが蔓延し、大きな社会問題ともなっている。日本ともつながりが深いこの国の実情について『池上彰の世界の見方 インド』を上梓したばかりの池上氏が切り込んだ。

 * * *
池上:インドの国内の状況についてお伺いしたいのですが、モディ首相のもとでいろいろな改革が行われていますね。経済分野の改革は、日本で「アベノミクス」と呼ばれたように、インドでも「モディノミクス」と呼ばれているとお聞きしました。特に高額紙幣をいきなり廃止するという大胆な改革にはびっくりしました。その後の改革の進み具合はいかがでしょうか?

ヴァルマ大使:改革はうまくいっていると思います。コロナの影響で、多くのことが後回しになりました。まずは健康と人命を重視したので、命に直接関係のない改革はしばらくの間、優先順位が低かったのです。医療に続いて、経済の再生にフォーカスしました。すべての改革は正しい方向に向かっていると思います。以前に比べれば少し遅れているとは思いますが、このコロナの状況が一段落したら、当初の計画に戻り、以前よりも速いスピードで物事を進めていきます。

池上:このところアメリカの大統領選挙のニュースを見ていると、たとえば民主党の副大統領候補にカマラ・ハリスさん。この方のお母さんはインドご出身ですね。あるいは以前、国連大使だった共和党のニッキー・ヘイリーさんもインド系アメリカ人で、4年後には共和党の大統領候補になるのではないかと言われています。アメリカでもインド系の方々が大活躍ですね。

ヴァルマ大使:インドからの移住者が多い国はたくさんあります。アメリカでは、政治の世界で活躍するインド系移民が多いのです。他の国についても、3か国でインド系の人物が首相です。インド系の人は、すごく政治的意欲が高いのです。カマラ・ハリスさんもインド人の血を引いています。お母さんがインド出身の方で移民として米国に移っております。18歳で渡米するような独身女性は、まだほとんどいない時代のことです。その後、彼女はテクノロジー、中でもバイオテクノロジーの分野でがんの研究を行っていました。そこで将来の夫、つまりカマラ・ハリスさんのお父さんに出会ったのです。カマラ・ハリスさんは最初から政治に熱心で、現在に至っています。

関連記事

トピックス

同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン
電動キックボードの違反を取り締まる警察官(時事通信フォト)
《電動キックボード普及でルール違反が横行》都内の路線バス運転手が”加害者となる恐怖”を告白「渋滞をすり抜け、”バスに当て逃げ”なんて日常的に起きている」
NEWSポストセブン
入場するとすぐに大屋根リングが(時事通信フォト)
興味がない自分が「万博に行ってきた!」という話にどう反応するか
NEWSポストセブン
過去の大谷翔平のバッティングデータを分析(時事通信フォト)
《ホームランは出ているけど…》大谷翔平のバッティングデータから浮かび上がる不安要素 「打球速度の減速」は“長尺バット”の影響か
週刊ポスト
16日の早朝に処分保留で釈放された広末涼子
《逮捕に感謝の声も出る》広末涼子は看護師に“蹴り”などの暴力 いま医療現場で増えている「ペイハラ」の深刻実態「酒飲んで大暴れ」「治療費踏み倒し」も
NEWSポストセブン
初めて沖縄を訪問される愛子さま(2025年3月、神奈川・横浜市。撮影/JMPA)
【愛子さま、6月に初めての沖縄訪問】両陛下と宿泊を伴う公務での地方訪問は初 上皇ご夫妻が大事にされた“沖縄へ寄り添う姿勢”を令和に継承 
女性セブン
中村七之助の熱愛が発覚
《結婚願望ナシの中村七之助がゴールイン》ナンバーワン元芸妓との入籍を決断した背景に“実母の終活”
NEWSポストセブン
松永拓也さん、真菜さん、莉子ちゃん。家族3人が笑顔で過ごしていた日々は戻らない。
【七回忌インタビュー】池袋暴走事故遺族・松永拓也さん。「3人で住んでいた部屋を改装し一歩ずつ」事故から6年経った現在地
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で天皇皇后両陛下を出迎えた女優の藤原紀香(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
《天皇皇后両陛下を出迎え》藤原紀香、万博での白ワイドパンツ&着物スタイルで見せた「梨園の妻」としての凜とした姿 
NEWSポストセブン
“極度の肥満”であるマイケル・タンジ死刑囚のが執行された(米フロリダ州矯正局HPより)
《肥満を理由に死刑執行停止を要求》「骨付き豚肉、ベーコン、アイス…」ついに執行されたマイケル・タンジ死刑囚の“最期の晩餐”と“今際のことば”【米国で進む執行】
NEWSポストセブン
何が彼女を変えてしまったのか(Getty Images)
【広末涼子の歯車を狂わせた“芸能界の欲”】心身ともに疲弊した早大進学騒動、本来の自分ではなかった優等生イメージ、26年連れ添った事務所との別れ…広末ひとりの問題だったのか
週刊ポスト
2023年1月に放送スタートした「ぽかぽか」(オフィシャルサイトより)
フジテレビ『ぽかぽか』人気アイドルの大阪万博ライブが「開催中止」 番組で毎日特集していたのに…“まさか”の事態に現場はショック
NEWSポストセブン