1990年代半ば、人気タレントが過去に発売した露出度の高いグラビアを発掘する「お宝ブーム」が雑誌を中心に巻き起こり、専門誌も次々と創刊。そこで多くの写真集やポスター、テレカが発掘され、プレミア価格で取り引きされた。
1971年に創業した東京・神保町の「荒魂書店」は歌集などを扱う古書店だったが、1990年代からアイドルや女優の写真集中心の品揃えに移行、お宝ブームの聖地的存在に。そんな店内には「絶対に販売しない」と語る“超お宝”があると鎌田俊一店長は明かす。
「松田聖子さんの紅白歌合戦出場時の衣装です。あまりに貴重で値段はつけられない。本当は重要文化財のような扱いで保存したいのですが倉庫に眠っています。あとは2階のレジ後ろに貼っているデビュー前の岡田有希子さんを撮ったニコンEMのポスター。
これは100万円積まれても売りません! なぜか南米にもファンがおり、海外からの問い合わせもあります。彼女のサイン色紙は偽物が多く要注意ですが、本物であれば貴重です。レコード会社のロゴ入りのデビュー曲のサイン色紙は10万円でお売りしたこともあります」
岡田有希子の横に貼ってある松嶋菜々子が脇を見せた松下電工「ソイエ」のポスターも非売品だ。「きれいなおねえさんは、好きですか。」のキャッチフレーズで知られる広告で人気も思い入れも強いという。
また“ぜひ当店に売ってほしい”と語る商品もある。