新型コロナウイルス感染拡大により、訪日外国人が激減、大きな打撃を受けたのが観光都市・京都だ。徐々にかつての様子を取り戻そうとしているなか、京都はその「おもてなし」をどのように変えていこうとしているのか。7年連続指名1位の人気芸妓・紗月に「新しいおもてなし」について聞いた。
「4月から5月の完全休業中、全身に湿疹のようなものが出たんどす。ところが6月にお座敷が少しずつ戻ってきたら、すぐ回復しました。やっぱり『芸妓が天職なんやわ』と思いました」
京都・五花街の中で最も大きい祇園甲部の芸妓・紗月さん(26)。15歳で芸の世界に飛び込み、16歳で舞妓に。その後、お座敷指名が最多の芸舞妓に与えられる「売花奨励賞一等賞」を7年連続で獲得した人気芸妓だ。21歳で芸妓となって以降、ほぼ無休でお座敷に立ってきたが、3月初めにはスケジュール帳にすべて×印が付いたという。
「今年は春の『都をどり』がなくなったので心が折れそうになりました」
「都をどり」とは、毎年4月に開催される祇園甲部の芸舞妓全員による舞台公演を指す。明治5年から戦時中を除き毎年行なわれてきた伝統公演だが、今年は中止となり、そのための合同稽古も中止となった。