菅政権になってから急速に動き出しつつあるのが、私たちの家計に大きな関係のある「携帯料金の値下げ問題」。そもそも日本の携帯電話の料金はどのくらい高いのか? 発売以来11年間連続完売を記録している『家計ノート』の著者であるカリスマ講師の細野真宏さんに、初歩から徹底解説してもらった。
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総務省が日本、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、韓国の主要6都市における携帯電話料金を比較した調査(電気通信サービスに係る内外価格差調査)の結果を公表しています。この調査で、各国の上位3、4社を使う際に、標準的な「通話は月65分、メール月108通、データ通信量は月2ギガバイト、月5ギガバイト、月20ギガバイト」の場合を調べています。
東京の場合は、2ギガバイトや5ギガバイトとデータ使用量が多くない場合は「平均的」で、データ量が多い20ギガバイトでは「割高」となっています。つまり、「日本の携帯料金が世界的に高すぎる」というわけではないのです。しかも、この比較は、あくまで各社の基本的な料金を並べたもので、家族割引などの割引サービスや品質がまったく反映されていないのです。
例えばNTTドコモの場合は、外出先でも動画などのデータ通信が多い人向けの「ギガホ」、メールの利用が中心でデータ通信が少ない人向けの「ギガライト」、家族間の通話無料等の家族割引「みんなドコモ割」を適用している人が圧倒的に多いのです。このプランによって、すでに最大4割程度は携帯料金を下げることができています。ちなみに、NTTドコモは契約者数が一番多いのに、儲けでは「au」や「ソフトバンク」に負けているのです。
また、携帯電話の「品質」については、ICT総研が同様に日本と海外(アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、韓国)との比較調査をしています。日本は「4G接続率」では98.5%とトップになっています。【2位韓国(98.3%)、3位アメリカ(96.1%)、4位イギリス(89.2%)、5位フランス(86.0%)、6位ドイツ(85.8%)】。
同様に「ダウンロード速度」では、1位の韓国(59.0Mbps)と2位の日本(49.3Mbps)が圧倒的に速く、3位ドイツ(28.7Mbps)、4位フランス(28.6Mbps)、5位アメリカ(26.7Mbps)、6位イギリス(22.9Mbps)を引き離しています。つまり「総務省」の「携帯料金」の比較ではドイツやフランス、イギリスは安くはありましたが「品質」では、安かろう悪かろうで日本に劣るのです。
このように「携帯料金」を考える際には「お金」と同時に「品質」も併せて考えることが極めて重要になるのです。