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菅首相「学者ぎらい」の裏に浮かぶ、教師になれなかった過去

日本学術会議との騒動で明らかになった菅義偉・首相の姿勢(写真は野党合同ヒアリング、時事通信フォト)

日本学術会議との騒動で明らかになった菅義偉・首相の姿勢(時事通信フォト)

“私に逆らう学者は任命しない”──。菅義偉・首相は日本学術会議の新会員候補6人の「任命拒否」でそうした姿勢を鮮明にした。杉田和博・官房副長官が事前に6人を削る“紅衛兵”として関与したことが明らかになっている。

 学者側から激しい批判が上がり、日本学術会議が首相に「任命拒否」の理由を説明するように要求すると、河野太郎・行革相が、「日本学術会議の予算や機構、定員について例外なく見ていく」と行革の対象に名指しし、“組織解体”をちらつかせたのだ。

確信犯的に任命拒否

「菅さんはもともと知的権威やエリートに懐疑的です」。そう指摘するのは政治ジャーナリストの藤本順一氏だ。

「叩き上げ政治家である菅さんは、学歴エリートへの不信感を募らせてきた。官僚は学者の権威を利用して政治家をコントロールしようとするし、学者は政府機関と近いことで発言力を増したい。持ちつ持たれつの関係で自己保身に走るのが気に入らないのです。

 コロナ対応では、安倍首相と近い今井尚哉・前秘書官が、菅さんを無視して、仲間内の学者を対策会議に入れて感染症対策を打ち出し、破綻した。尻拭いをさせられた菅さんは怒り心頭でした」

 菅氏はすでに霞が関官僚に対し、「反対するなら異動してもらう」と語って“服従しなければクビ”だと宣言した。そしていよいよ学者の“粛清”に乗り出したのだ。元文科官僚の寺脇研・星槎大学客員教授が語る。

「日本学術会議の会員任命拒否は安倍政権時代から行なわれていたことがわかっているが、憲法が保障する学問の自由に介入する行為なので、安倍政権は裏でやっていた。官僚は今回も表沙汰にせず穏便に済ませたかったはず。しかし、菅総理は確信犯的に任命拒否を示した。『学者にはつべこべ言わせない』という明確な意思が窺えます」

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