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糞便に含まれる大腸菌 ペーパー12枚重ねれば浸透しない

トイレでの感染リスクは?(イラスト/藤井昌子)

 新型コロナウイルスの拡散を防ぐため、ホテルや駅などの公共トイレで、ハンドドライヤーが使用禁止になって久しい。しかし、そもそも公共のトイレを使用するときに私たちが感じてきた「他人の大腸菌が付着しそう」「ここって清潔?」といった疑問・不安はスッキリしないままだ。実際、外では絶対にトイレに行かない、という強者もいるという──。

 公共トイレで感染リスクが高まるかどうかはやはり気になるところだ。北里大学医療衛生学部講師の伊与亨さんは、「トイレが感染経路になったという報告はまだないものの、リスクゼロではない」と言う。

「新型コロナのウイルスだけでなく、排便時の細菌やウイルスは下着や洋服にも付着します。それらを完全に付着させない方法はありません。ただし、トイレ内の衛生を気にしすぎるよりも、手についた細菌やウイルスを取り除くことの方が重要。トイレから出たら徹底的に石けんなどで手を洗えば、自分も他人も感染から守ることができます」(伊与さん・以下同)

 糞便に含まれる大腸菌などは、トイレットペーパーを何重にすれば手につかないのか。

「北里大学の研究では、トイレットペーパーを12枚重ねると浸透しないという結果が出ています。それより少ないと、手に付着します」

 ということは、つまるところ、いくら重ねても手につくということ。ただし、温水洗浄便座でお尻を洗うと、細菌の量は減らすことが可能だという。

 トイレで新聞を読んだり、スマホを見る人も少なからずいるが、これはどうなのか。

「特段、問題はありません。ただ、トイレはあくまで排泄するのが目的の場所。あまり長く過ごすのは、公衆衛生的にはおすすめはできません。もちろん快適な空間にするのは必要ですが、キッチンやリビングに比べると清潔な場所とは言い難いので、トイレで飲食をするという話も聞きますが、衛生上、避けた方がいいですね」

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