国内

大学の序列 明治大がMARCH、SMARTから抜け「早慶明」に?

人気上昇の明治大学(駿河台キャンパス)

人気上昇の明治大学(駿河台キャンパス)

「早慶上理」「日東駒専」など、いまや受験の際に一般的に使われる大学のグループ分け。最近では新たな学校を加えた呼び名が登場するなど変化も見られるが、そもそもこうした大学の序列化はいつから始まり、どんな意味があるのか。大学通信・常務取締役の安田賢治氏がレポートする。

 * * *
 最近、大学のグループ分けが活発だ。旧7帝大(北海道大、東北大、東京大、名古屋大、京都大、大阪大、九州大)、早慶上理(早稲田大、慶應義塾大、上智大、東京理科大)、MARCH(明治大、青山学院大、立教大、中央大、法政大)、関関同立(関西大、関西学院大、同志社大、立命館大)など、これに限らず、さまざまな大学グループが存在する。

 そもそもこういう言い方は、昔はそれほど使われていなかった。それより注目されていたのは難易度だったが、今はグループで大学をひと括りでいうのが流行のようになってしまっている。

“国立離れ”で私大序列化が加速

 こういったグループ分けが活発になってきたのは1979年以降のことだ。この年から新しく共通一次試験が始まった。来年から始まる大学入学共通テスト、今年まで実施されていた大学入学センター試験の前身に当たる試験だ。この試験は今と同じで、国公立大を受けるために必要な試験で、共通一次試験には私立大は基本的に参加できなかった。

 この共通一次試験導入を機に国立大の入試方式が変わる。それまで国立大は1期校、2期校に分かれ、受験生は国立大を2校受験するチャンスがあった。東京圏だと1期校は東大、一橋大、東京工業大、お茶の水女子大、千葉大など。2期校は東京医科歯科大、東京外国語大、埼玉大、横浜国立大などだ。1期校の東大・理三を不合格になれば、2期校の東京医科歯科大・医学部を受験するというわけだ。

 ところが、この共通一次試験導入と同時に1期校、2期校制を辞めてしまい、国立大1回受験にしたのだ。まさに受験生不在の改革だった。

 この改革は国立大にとってマイナスとなった。受験生にとってみると、新しく始まる共通一次試験への対策が必要になったうえに、国立大は1校しか受けられない。負担が大きい割にメリットは少ないとの考えが広がり、国立大離れが起こった。

 そこで、当然の流れともいえる私立大第一志望者が増加する。また、国立大を目指す層も今までは2期校をスベリ止めにできたのに不可能となり、併願校を私立大に求めざるを得なくなった。この結果、私立大人気が上がることとなった。私立大は志願者が集まり、難易度が上がり、18歳人口の増加、大学進学者の増加も追い風になり、人気は高まる一方となった。

私学の雄、早稲田大学(時事通信フォト)

私学の雄、早稲田大学(時事通信フォト)

 そんな時にこの私立大のグループ分けが人の口に上るようになる。それまでは「早慶」「早慶明」などと言われることもあったが、ごく一部でそれほど一般的ではなかった。だが、私立大の難化とともに、高校や予備校での進路指導の時に、「早慶第一志望なら抑えにMARCHを受けたら?」などと言うと、生徒も併願校をイメージしやすい。こうして大学グループの名称は一般的になっていく。

関連記事

トピックス

運転席に座る広末涼子容疑者
《広末涼子が釈放》「グシャグシャジープの持ち主」だった“自称マネージャー”の意向は? 「処罰は望んでいなんじゃないか」との指摘も 「骨折して重傷」の現在
NEWSポストセブン
真美子さんと大谷(AP/アフロ、日刊スポーツ/アフロ)
《大谷翔平が見せる妻への気遣い》妊娠中の真美子さんが「ロングスカート」「ゆったりパンツ」を封印して取り入れた“新ファッション”
NEWSポストセブン
19年ぶりに春のセンバツを優勝した横浜高校
【スーパー中学生たちの「スカウト合戦」最前線】今春センバツを制した横浜と出場を逃した大阪桐蔭の差はどこにあったのか
週刊ポスト
「複数の刺し傷があった」被害者の手柄さんの中学時代の卒業アルバムと、手柄さんが見つかった自宅マンション
「ダンスをやっていて活発な人気者」「男の子にも好かれていたんじゃないかな」手柄玲奈さん(15)刺殺で同級生が涙の証言【さいたま市・女子高生刺殺】
NEWSポストセブン
NHK朝の連続テレビ小説「あんぱん」で初の朝ドラ出演を果たしたソニン(時事通信フォト)
《朝ドラ初出演のソニン(42)》「毎日涙と鼻血が…」裸エプロンCDジャケットと陵辱される女子高生役を経て再ブレイクを果たした“並々ならぬプロ意識”と“ハチキン根性”
NEWSポストセブン
山口組も大谷のプレーに関心を寄せているようだ(司組長の写真は時事通信)
〈山口組が大谷翔平を「日本人の誇り」と称賛〉機関紙で見せた司忍組長の「銀色着物姿」 83歳のお祝いに届いた大量の胡蝶蘭
NEWSポストセブン
20年ぶりの万博で”桜”のリンクコーデを披露された天皇皇后両陛下(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA) 
皇后雅子さまが大阪・関西万博の開幕日にご登場 20年ぶりの万博で見せられた晴れやかな笑顔と”桜”のリンクコーデ
NEWSポストセブン
朝ドラ『あんぱん』に出演中の竹野内豊
【朝ドラ『あんぱん』でも好演】時代に合わせてアップデートする竹野内豊、癒しと信頼を感じさせ、好感度も信頼度もバツグン
女性セブン
中居正広氏の兄が複雑な胸の内を明かした
《実兄が夜空の下で独白》騒動後に中居正広氏が送った“2言だけのメール文面”と、性暴力が認定された弟への“揺るぎない信頼”「趣味が合うんだよね、ヤンキーに憧れた世代だから」
NEWSポストセブン
高校時代の広末涼子。歌手デビューした年に紅白出場(1997年撮影)
《事故直前にヒロスエでーす》広末涼子さんに見られた“奇行”にフィフィが感じる「当時の“芸能界”という異常な環境」「世間から要請されたプレッシャー」
NEWSポストセブン
天皇皇后両陛下は秋篠宮ご夫妻とともに会場内を視察された(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA) 
《藤原紀香が出迎え》皇后雅子さま、大阪・関西万博をご視察 “アクティブ”イメージのブルーグレーのパンツススーツ姿 
NEWSポストセブン
2024年末に第一子妊娠を発表した真美子さんと大谷
《大谷翔平の遠征中に…》目撃された真美子さん「ゆったり服」「愛犬とポルシェでお出かけ」近況 有力視される産院の「超豪華サービス」
NEWSポストセブン