コンビニやスーパーに並ぶ菓子。各社のパッケージデザインには「手に取りたい」と思わせる戦略が込められる。色もデザイン戦略の重要な要素のひとつだ。
お菓子売り場のなかで、上質な色合いのシャンパンゴールドが目をひくロッテ「アーモンドチョコレート」。発売された2000年当初は、斬新なパッケージだった。
そもそも、アーモンドをミルクチョコレートでコーティングした商品は、他社が人気を独占しており、ハイカカオ品質のアーモンドチョコを開発するなど、その牙城を崩そうと何度も挑んだが、大きく水をあけられたままだった。
そこで採用した色がシャンパンゴールドだった。安心感を与える他社の赤いパッケージに比べ、そのインパクトは絶大だった。多くの若者たちの「手に取ってみたい」という共感を呼び、圧倒的な首位を誇る他社商品を脅かすまでになった。
商品の差別化のみならず、ミルクにビターを重ねた2層チョコ仕立てによって実現した甘すぎないおいしさも好評を得て、今や同社の主力商品に育った。
※週刊ポスト2020年10月30日号