コロナ禍のストレスもあってか、わがままを通そうとする“カン違い客”が増えているという。「コロナ禍の影響で、客が急に怒り出す、ストレス発散型クレームが増えています」と話すのは、クレーム・コンサルタントの谷厚志さんだ。
クレームとは本来、客が被った不利益や損害に対する正当な要求だ。しかし昨今増えているクレーマーは、文句やわがままを言うこと自体が目的になっているのが特徴だという。そこで迷惑客の実例を紹介し、いかにして対応すべきかを谷さんに教えてもらった。
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週末の夕方、ショッピングセンター内のフードコートは、多くの家族連れでにぎわいます。なかでも私がパートをしているファストフード店には、毎週長蛇の列が。
ファストフードとうたっているくらいですから、こちらとしても素早くお食事を提供したいのですが、混雑している場合は、どうしてもお客さまをお待たせしてしまうことも。そういうときは、「出来立てをお渡ししますので、この番号札をお持ちになり、お席でお待ちください」と、お声がけをし、席に座って待っていただくのですが……。
先日、30代くらいのお子さま連れの男性客からイライラした様子で、「おい、いつまで待たせんだよ! ふざけんな!!」と、怒鳴られてしまいました。手に持つ番号札を見ると、彼の順番まで、まだ3組ほどのお客さまが……。
「大変申し訳ありません。順番にお作りしておりますので、もう少々お待ちいただけますか?」と、平謝りしたのですが、その男性は、フードコート中に響き渡るような大声で、「こっちは注文するまでにすでに20分も待ってんだよ。おれが待った時間の時給、あんたが払ってくれるの?」と、怒りをヒートアップさせていきます。
すると、その声を上回るような大きく通る声で、「え! 20分もですか!! 大変お待たせして申し訳ありません。すぐにご用意いたします」と、出てきたのは店長。
低姿勢ですが愛嬌がある口調で、「お子さんもいらっしゃるのに、余計に疲れさせてしまいましたよね。ぼくたちも、お腹空いたよね?」と、男性のお子さんにも話しかけていました。すると、
「そうだよ。嫁さんが家で待ってて、メールで急かしてくるんだよ……」