新型コロナウイルスの感染拡大によって生活様式も大きく変化している。なかでも影響が大きかったのが大学だ。多くの大学が今年度からオンライン授業を導入、いまなおその状況は続き、入学してからまだ一度もキャンパスで授業を受けていないという大学1年生もいるという。
実家から都内の大学に通うAさん(女性)はこう話す。
「(大学入学前からの)友達が近くにいることは同じ想いを共有しやすいので助かっている部分はあります。でも、大学の友達ができないのも、現実問題、先が見えないのも、大学生ならみんな同じだと思います。正直、今年1年はナシにして来年からやり直したいくらいです」
Aさんの母親はそんな娘を前に、「不利で損してるなと思うけれど、強制的に慣れていくしかない」と、見守るスタンスだ。
一方、同じく地元が東京で、都内の大学に進学した娘を持つBさんは、「納得いってないです」という。
「たしかに4月のときは、世の中的にも自粛は仕方なかったし、娘も最初は朝寝坊できてラッキーみたいな感じでした。でも、オンライン授業ばかり受けていくなかで次第に“通わないのが普通になることが不安”と言うようになりましたね。
うちは中高も都立だったから余計だと思うんですけど、言ってみればいまいちばん高い授業料を払っているんです。しかも、娘の大学は授業の選択も一切できず、サークル活動もありません。こんなことをしてみたいっていう大学生らしいことがまったくできていないのに、大学の言いなりで学費を払うのってどうなの?って、主人とも話しています」
北関東から上京した日本大学1年生のCさんの母親は、オンライン授業に対しては一定の評価をしながらも、大学へは物申したい気持ちを強く訴えた。
「知人の娘さんで、大学入学後に引きこもりになって休学してしまった子がいるんですけど、彼女にとっては自宅でも等しく授業が受けられる機会なんですよね。うちは娘が2人いるんですが、上の娘はいろんな人に体当たりして成長するタイプなのに比べて、下の娘は、自分の世界の中で満たされるタイプで、オンライン授業が性に合っているみたいです。
ただ、学費は高すぎ。アベノマスク問題じゃないですけど、オンライン授業をするにあたって、どういう企業のシステムを使って、どういう経緯でお金がかかっているのかを示されないと、当然この学費は納得できないし、保護者がなめられているんだと感じますよ。『保護者の皆様へ』っていう冊子を送るお金があるんだったら、もっと子供に働きかけてって。報じられていないだけで、心を病んでいる子もいると思うから」