人気コミックを実写化した玉木宏(40才)主演のドラマ『極主夫道』(日本テレビ系)が今月11日からスタートし、世帯平均視聴率1話11.8%、2話10.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と2ケタをキープし好調だ。
ドラマに詳しいライターの田幸和歌子さんはその理由についてこう語る。
「コロナ禍で、ドラマの内容は二極化しています。現実にある事柄をベースに描かれる社会派系ドラマやコロナ禍の状況を映し出すリアリティのあるドラマと、完全フィクションで現実を忘れさせてくれるドラマです。『極主夫道』は後者で、リアリティを求めたものではなく、バカバカしくて楽しんで笑えるという振り切れた内容です。最近、注目を集めている“おじかわブーム”に乗っている点など、複数の要素が視聴率に反映されているのだろうと思います」(田幸さん・以下同)
物語は、裏社会に数々の伝説を残してきた“最凶”のヤクザ・龍(玉木宏)が、足を洗ってキャリアウーマンの美久(川口春奈)と結婚し、専業主夫として生活する日常を描いたアットホームなコメディだ。
元・極道を演じる玉木は、ダークスーツにサングラス、顔には大きな傷がありヒゲを蓄えている……というコテコテのスタイル。特に、顔全体を使って怒りや驚きを表現する“顔芸”はインパクト大。前クールの『竜の道 二つの顔の復讐者』(カンテレ・フジテレビ系)で演じた裏社会の硬派な人物とは正反対のキャラクターだ。
「玉木さんとしては珍しいインパクトのあるビジュアルで、しかも“変顔”をするのはあまり見たことがなかったので新鮮です。まさに新境地と言えます。2話でヨガのシーンがあったのですが、あの決め顔は見事。漫画原作のコメディをドラマ化するとスベることがありますが、何をやってもどこか上品で演技力がある玉木さんだからこそ成功した場面でしょう。
わかりやすい“顔芸”は、『半沢直樹』(TBS系)以来、求められる傾向にある気がしています。いまの若者はYouTubeなどの短い動画に慣れているので、細かいスパンで笑いを入れないと、退屈してすぐに飽きてしまいます。若者にも見てもらう工夫のひとつに、くるくる変わる“顔芸”も入ってきているのではないでしょうか」