超大型の最新大陸間弾道ミサイル(ICBM)を公開したことや、金正恩・朝鮮労働党委員長が国民の生活苦について「申し訳ない」と涙ぐみながら語ったことでも注目を浴びた、10月10日の北朝鮮軍事パレード。
朝鮮労働党創建75年を記念してのもので、一糸乱れぬ兵たちの行進や歓声を上げる人々の間を通る大型戦車の様子は世界に流れたが、この映像に“加工疑惑”を唱えるのが元共産党議員秘書で軍事評論家の篠原常一郎氏だ。
「まず奇妙に感じたのは音声がアテレコ(別に録音した音源を映像に合わせてはめ込むこと)だった点です。金正恩が登場すると観衆が『オーッ』という歓声を上げるのですが、金正恩が歩いてひな壇に上がるまでの間、歓声が同じボリュームで等間隔に流れるのです。歓声の音源をいくつも重ねて繰り返し流しているのだと思われます」
兵士の行進音や装甲車の走行音にも、不可解な点があるという。
「大歓声のなかでも、兵士の足音や装甲車の走行音は大きく響いている。兵士が足を下ろすタイミングと足音がズレていたり、装甲車が近づいてきても走行音量が変わらない。アテレコで音を重ね、ボリュームを調整したのでしょう」(同前)