コロナ禍の巣ごもり需要を背景に一大ブームを巻き起こした韓国ドラマ。『愛の不時着』などに続き今日本で話題となっているのが『キム秘書はいったい、なぜ?』だ。配信からわずか数日でNetflixの人気ランキング(日本)1位を獲得し、現在も常に上位にランクインし続けている。韓国では2018年に放送され、社会現象となるほどの人気ぶりというが、その人気の理由とは。ソウル在住のKDDI総合研究所特別研究員・趙章恩さんが解説する。
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『キム秘書はいったい、なぜ?』は、2018年のGoogle検索ワードランキング(韓国)で、韓国テレビ番組部門1位を獲得したほど大人気となったドラマ。遂に日本でも配信され、人気上昇中というから嬉しい限りだ。本作は、2013年に発表された同名のウェブ小説が原作。2016年には韓国のウェブコミック配信サイト「kakaopage」で漫画になって登場し、2018年に韓国でドラマ化された。WEBTOONの同名漫画は韓国コンテンツ大賞のマンガ部門で文化体育観光部長官賞を受賞し、ドラマもケーブルテレビでの放送だったにも関わらず、地上波放送込みの同時間帯視聴率1位をキープしたほど、2018年を代表する作品になった。
物語は、大企業の副会長・ヨンジュン(パク・ソジュン)と、ヨンジュンを9年間支えてきた秘書・ミソ(パク・ミニョン)のラブストーリー。ドラマ化が決まり、主人公のパク・ソジュンとヒロインのパク・ミニョンのキャスティングが発表されると、原作ファンは「最高!この上ない組み合わせ」「待ちきれない」と盛り上がった。パク・ソジュンは役作りのため発声を変えてみたそうで、パク・ミニョンは役作りのため体重を4kgも絞り、体にぴったりフィットする衣装にチャレンジした。
そしてドラマが始まると、初回から最終回まで、韓国のSNSではドラマの話題が絶えず、公式YouTubeで公開されたパク・ソジュンとパク・ミニョンのキスシーン動画は、ドラマが終わって2年経った今も再生回数が伸び続け、遂に2億回を越えた。2人のキスシーンやプロポーズシーンは「死んだ恋愛細胞も生き返る」と絶賛され社会現象になり、2人の熱愛説まで報じられる騒ぎとなった。