柴門:でも私は反抗期がとにかく大変で、母性を感じる余裕がなかったのかもしれません(笑い)。夫(漫画家・弘兼憲史さん)は仕事人間で、育児に協力しない人だから。子育ては本当に大変でした。
大石:弘兼さんとはパーティーなどでご一緒したことがあるけれど、かっこいいし、ダンディーで、とても素敵!
柴門:あれはね、オフィシャルのダンディズム(笑い)。家事も育児もすべて私に任せて、結婚してからずっと、自宅に帰ってくるのはお正月の三が日だけ。さすがに同居していた義理の両親が高齢になってからは家で寝るようになりましたけど。でもそうした状況を寂しいと思う暇もなく、40代までは子育てと仕事に必死でした。
大石:台本書きながら、繁樹(玉置玲央)に柴門さんの怒りが投影されていると感じたことはあります(笑い)。
【プロフィール】
柴門ふみ(さいもん・ふみ)/1957年生まれ。漫画家。1979年『クモ男フンばる!』でデビュー。代表作に『同・級・生』『東京ラブストーリー』『あすなろ白書』(いずれも小学館)などがあり、ドラマ化された作品も多数。『老いては夫を従え』(小学館)などエッセイにも多くのファンがいる。
大石静(おおいし・しずか)/1951年生まれ。脚本家。1986年に『水曜日の恋人たち 見合いの傾向と対策』で脚本家デビュー。以降、『ふたりっ子』『セカンドバージン』(いずれもNHK)、『家売るオンナ』(日本テレビ系)、『大恋愛~僕を忘れる君と』(TBS系)など数多くの脚本を執筆し名ドラマを送り出す。
※女性セブン2020年11月5・12日号