恋する3人の母を描くドラマ『恋する母たち』(TBS系、毎週金曜22時~以下『恋母』)。その原作者である柴門ふみさんと、ドラマの脚本を担当した大石静さんが対談する。漫画界とドラマ界の第一線を走り続ける2人が、子育てや夫婦関係について赤裸々に語り合った。
柴門:女性は年齢とともに生活環境が少しずつ変わります。私は20代で子供を2人産んで、30代は子育てと仕事をこなすので大変でした。『東京ラブストーリー』も『あすなろ白書』も子育てしながら描いていて、ようやく一段落つくことができたのは、50代になってからでした。
大石:私は子供がいないから、柴門さんのように子育ての大変さはわからない。30代の頃、子供が欲しいと思った時期もあったんです。でも出産した友達がそれはもう大変そうで、仕事をしながら子育てはできないなと。それに私のDNAを引き継いで生まれてきて子供は幸せなのかしらって思ったりもして(笑い)、産む選択をしませんでした。
柴門:旦那さんはどう思われていたんですか?
大石:夫は子供が欲しかったようだけど、私の意見を伝えたらすんなり受け入れてくれました。
柴門:優しいですね!
大石:だからこそ、『恋母』では子供に対するまり(仲里依紗)の情熱から、学ぶことも多かったです。昔、息子が入浴中の風呂場に入ったっていう話を友人がしてて、「私が産んだ子だから見たっていいのよ」と言ってたんです。もう高校生になるお子さんなのに!?って驚きました。
でも、まりの「ママのことどんなに嫌いになろうとしても嫌いになれないのが息子ってものなの! 彼にとって最初の女は母親なのよ! おっぱい吸ってオムツあてられお風呂でちんちん洗ってもらい~」というセリフで、あぁこういうことだったのかって。