ライフ

8割の人が遭遇する「中年の危機」 こじらせないためには?

諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師

諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師

 40~60代にかけて男性も女性も陥りやすい「中年の危機」。ミッドライフクライシスをこじらせないには、どうしたらよいのか。諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師が、ミッドライフクライシスが起きる理由や、それをこじらせないためにどうしたらいいのかを解説する。

 * * *
 コロナ禍のなか、自殺件数が増加している。7月末までは前年と同程度だったが、8月の1か月間に自殺した人は全国で1854人。昨年から16%増加した。特に若い女性の増加が目立っているという。

 原因はわからない。でも、コロナによる影響は少なくないだろう。日本の「家」は、物理的にも機能的にも大きくない。そこへ、自粛やリモートワークなどで、仕事も、子どもの教育も、介護も、一気に流れ込んでしまった。外に助けを求めにくいなかで、負担を抱えた女性が自殺を選んでいる可能性がある。

中年の危機、ミッドライフクライシス

 男性も女性も、40~60代にかけて、ミッドライフクライシスに陥りやすい。中年の危機ともいう。事業で失敗した、離婚したなどの人生の一大事がなくても、人生を順調に歩んでいる人でも80%が遭遇しているという。

 映画『スピード』や『マトリックス』などで名を馳せた俳優のキアヌ・リーブスは、40歳を過ぎたころ、ホームレスのような格好をしているところをパパラッチされた。親しい人が相次いで亡くなり、うつになったのだろうといわれていた。

 後に、本人がインタビューで「40歳メルトダウン」になってしまった、「第2の思春期」のようだったと、独特の表現で答えている。どうやら、ミッドライフクライシスだったようである。

 このミッドライフクライシス、年齢的にとても幅広く、しかも、危機の内容も人それぞれ。つかみどころがないように思える。

 ただ共通して言えるのは、根底に人生のピークを過ぎたことへの戸惑い、あるいは一つの役割を終えたことの寂しさがあるということである。

 人生が上り坂から下り坂へと向かうとき、心や体の不調も起こりやすい。ストレスが続くことで胃潰瘍やぜん息、糖尿病を発症することもある。心筋梗塞や脳卒中になる人たちもいる。危機から抜け出そうと、あれこれ思い悩んだり、突然、仕事や住む場所など、生き方を変えたりする。

 たいていは大きな害はない。だが、なかには、アルコールやギャンブルなどの依存症に陥ったり、自殺をしたりする人もいるから、注意が必要だ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

悠仁さまが大学内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿されている事態に(撮影/JMPA)
筑波大学に進学された悠仁さま、構内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿「皇室制度の根幹を揺るがす事態に発展しかねない」の指摘も
女性セブン
ショーンK氏が千葉県君津市で講演会を開くという(かずさFM公式サイトより)
《ショーンKの現在を直撃》フード付きパーカー姿で向かった雑居ビルには「日焼けサロン」「占い」…本人は「私は愛する人間たちと幸せに生きているだけなんです」
NEWSポストセブン
気になる「継投策」(時事通信フォト)
阪神・藤川球児監督に浮上した“継投ベタ”問題 「守護神出身ゆえの焦り」「“炎の10連投”の成功体験」の弊害を指摘するOBも
週刊ポスト
長女が誕生した大谷と真美子さん(アフロ)
《大谷翔平に長女が誕生》真美子さん「出産目前」に1人で訪れた場所 「ゆったり服」で大谷の白ポルシェに乗って
NEWSポストセブン
3月末でNHKを退社し、フリーとなった中川安奈アナ(インスタグラムより)
《“元カレ写真並べる”が注目》元NHK中川安奈アナ、“送別会なし”に「NHK冷たい」の声も それでもNHKの判断が「賢明」と言えるテレビ業界のリスク事情
NEWSポストセブン
九谷焼の窯元「錦山窯」を訪ねられた佳子さま(2025年4月、石川県・小松市。撮影/JMPA)
佳子さまが被災地訪問で見せられた“紀子さま風スーツ”の着こなし 「襟なし×スカート」の淡色セットアップ 
NEWSポストセブン
第一子出産に向け準備を進める真美子さん
【ベビー誕生の大谷翔平・真美子さんに大きな試練】出産後のドジャースは遠征だらけ「真美子さんが孤独を感じ、すれ違いになる懸念」指摘する声
女性セブン
『続・続・最後から二番目の恋』でW主演を務める中井貴一と小泉今日子
なぜ11年ぶり続編『続・続・最後から二番目の恋』は好発進できたのか 小泉今日子と中井貴一、月9ドラマ30年ぶりW主演の“因縁と信頼” 
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんの「冬のホーム」が観光地化の危機
《ベイビーが誕生した大谷翔平・真美子さんの“癒しの場所”が…》ハワイの25億円リゾート別荘が早くも“観光地化”する危機
NEWSポストセブン
公然わいせつで摘発された大阪のストリップ「東洋ショー劇場」が営業再開(右・Instagramより)
《大阪万博・浄化作戦の裏で…》摘発されたストリップ「天満東洋ショー劇場」が“はいてないように見えるパンツ”で対策 地元は「ストリップは芸術。『劇場を守る会』結成」
NEWSポストセブン
同僚に薬物を持ったとして元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告が逮捕された(時事通信フォト/HPより(現在は削除済み)
同僚アナに薬を盛った沖縄の大坪彩織元アナ(24)の“執念深い犯行” 地元メディア関係者が「“ちむひじるぅ(冷たい)”なん じゃないか」と呟いたワケ《傷害罪で起訴》
NEWSポストセブン
中村七之助の熱愛が発覚
《結婚願望ナシの中村七之助がゴールイン》ナンバーワン元芸妓との入籍を決断した背景に“実母の終活”
NEWSポストセブン