スポーツ

女子アスリート盗撮被害問題 カメラを持つ不審者出没の実態

選手が集中できない(写真は10月2日の陸上日本選手権、共同通信社)

選手が集中できない(写真は10月2日の陸上日本選手権。共同通信社)

 ネット上に溢れる女子アスリートのバストや股のアップ写真──。10月13日、日本オリンピック委員会(JOC)がそうした「性的画像」について、競技横断的な対策に乗り出すことが明らかになった。きっかけは8月に、複数の女子陸上選手が日本陸上競技連盟に被害を相談したことだという。

「2005年頃からビーチバレーや競泳などで卑猥な写真のネット流出被害が出始めました。最近は陸上競技が深刻で、主流になった露出の多いユニホームが一因との指摘もあります」(全国紙記者)

 例えばあるサイトでは、女子選手たちの胸元や下半身をアップにした写真や動画が投稿されており、卑猥なコメントが書き込まれている。

 首都圏の陸上クラブの関係者は語る。

「小学生から大人の大会まで、カメラを手にした不審者は毎回出ますし、“常連”もいます。主催者側も競技場へのカメラ持ち込みを登録制にしたり、選手のお尻が向く方向の観客席に撮影禁止エリアを設けるなど対応はしています。それでも禁止エリアに一瞬だけ入る人や、特大の望遠レンズでストレッチする姿を狙う人は絶えない。しかし、不審者を見つけても撮影を取り締まるような法律はない。選手たちは観客席が気になって集中できません」

 スポーツ評論家の玉木正之氏はこう嘆く。

「盗撮を行なう観客のモラルの低さは問題外だが、一方で、鍛え抜かれたアスリートの身体は美しく、何が『性的』かの線引きは非常に難しい。対策は簡単ではありません。肖像権を守る名目で報道以外のカメラ撮影を禁止する手はありますが、JOCがそこまで踏み切れるか。まずはサイト側に削除要請をするなど毅然とした対応をしていくしかないでしょう」

 女子アスリートを守れるか。

※週刊ポスト2020年11月6・13日号

関連記事

トピックス

2024年末に第一子妊娠を発表した真美子さんと大谷
《大谷翔平の遠征中に…》目撃された真美子さん「ゆったり服」「愛犬とポルシェでお出かけ」近況 有力視される産院の「超豪華サービス」
NEWSポストセブン
新政治団体「12平和党」設立。2月12日、記者会見するデヴィ夫人ら(時事通信フォト)
《デヴィ夫人が禁止を訴える犬食》保護団体代表がかつて遭遇した驚くべき体験 譲渡会に現れ犬を2頭欲しいと言った男に激怒「幸せになるんだよと送り出したのに冗談じゃない」
NEWSポストセブン
警視庁が押収した車両=9日、東京都江東区(時事通信フォト)
《”アルヴェル”が人気》盗難車のナンバープレート付け替えで整備会社の社長逮捕 違法な「ニコイチ」高級改造車を買い求める人たちの事情
NEWSポストセブン
地元の知人にもたびたび“金銭面の余裕ぶり”をみせていたという中居正広(52)
「もう人目につく仕事は無理じゃないか」中居正広氏の実兄が明かした「性暴力認定」後の生き方「これもある意味、タイミングだったんじゃないかな」
NEWSポストセブン
『傷だらけの天使』出演当時を振り返る水谷豊
【放送から50年】水谷豊が語る『傷だらけの天使』 リーゼントにこだわった理由と独特の口調「アニキ~」の原点
週刊ポスト
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
《英国史上最悪のレイプ犯の衝撃》中国人留学生容疑者の素顔と卑劣な犯行手口「アプリで自室に呼び危険な薬を酒に混ぜ…」「“性犯罪 の記念品”を所持」 
NEWSポストセブン
フジテレビの第三者委員会からヒアリングの打診があった石橋貴明
《離婚後も“石橋姓”名乗る鈴木保奈美の沈黙》セクハラ騒動の石橋貴明と“スープも冷めない距離”で生活する元夫婦の関係「何とかなるさっていう人でいたい」
NEWSポストセブン
原監督も心配する中居正広(写真は2021年)
「落ち着くことはないでしょ」中居正広氏の実兄が現在の心境を吐露「全く連絡取っていない」「そっとしておくのも優しさ」
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
〈山口組分裂抗争終結〉「体調が悪かろうが這ってでも来い」直参組長への“異例の招集状” 司忍組長を悩ます「七代目体制」
NEWSポストセブン
休養を発表した中居正広
【独自】「ありえないよ…」中居正広氏の実兄が激白した“性暴力認定”への思い「母親が電話しても連絡が返ってこない」
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(時事通信フォト)
「うなぎパイ渡せた!」悠仁さまに筑波大の学生らが“地元銘菓を渡すブーム”…実際に手渡された食品はどうなる
NEWSポストセブン
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された(左/時事通信フォト)
広末涼子の父親「話すことはありません…」 ふるさと・高知の地元住民からも落胆の声「朝ドラ『あんぱん』に水を差された」
NEWSポストセブン