国内

竹中平蔵氏が導入主張のBI「喜ぶのは企業。国民は苦しむ」

団塊総理は日本をどこに導くのか…(時事通信フォト)

団塊総理は日本をどこに導くのか…(時事通信フォト)

 第99代総理大臣に就任した菅義偉氏は昭和23年(1948年)12月6日生まれの「団塊の世代」である。第二次大戦直後の昭和22年(1947年)から昭和24年(1949年)に生まれた人々を指す「団塊の世代」が、戦後の日本を作ってきた。

 そんな団塊総理の菅首相だが、「カラーが見えない」「大きなビジョンがない」といった欠点を指摘されることが多い。団塊総理は日本をどこに導くのか──。元参議院議員で前東京都知事の舛添要一氏、社会学者・橋爪大三郎氏、政治アナリスト・伊藤惇夫氏の同い年3氏が分析する。

「菅さんは異なる立場の本を読んで勉強し、自分なりの考えを導き出すのではなく、他人に意見を求め、腑に落ちたものを採用するタイプ」

 舛添氏は菅首相をこう論評する。つまりブレーンを見れば、政権が目指す方向が見えてくるという。その意味で注目すべきは、最大のブレーンと言われる竹中平蔵氏だ。

「小泉内閣で竹中氏が総務大臣だったときの副大臣が菅さんで、それ以来の付き合い」(伊藤氏)という昵懇の間柄。菅内閣で新設された、成長戦略の具体策を練る「成長戦略会議」の民間有識者委員にも名を連ねた。

 以前から「自己責任」と「自助努力」を強く求める竹中氏が導入を主張しているのが、「ベーシックインカム(BI)」である。すべての個人に無条件で現金を支給し、「自助」のみで生きていける社会を作るというものだ。

 最近、竹中氏はその額を「1人月7万円」と発言。年収300万円の4人世帯ならBI導入後の合計年収がざっと2倍になり、一見夢のような制度に思えるが、BIの財源として提案しているのは「社会保障財源」だ。医療、介護、生活保護、そして年金といった社会保障を廃止して充てるというのである。橋爪氏はこう危惧する。

「BIが導入されて喜ぶのは企業くらい。国が賃金を肩代わりしてくれるようなもので、人件費を削減できますから。その裏ではセーフティネットの底が抜け、団塊世代はもちろん国民全体が苦しむことになります」

関連キーワード

関連記事

トピックス

アメリカの実業家主催のパーティーに参加された三笠宮瑶子さま。写っている写真が物議を醸している(時事通信フォト)
【米実業家が「インスタ投稿」を削除】三笠宮瑶子さまに海外メーカーのサングラス“アンバサダー就任”騒動 宮内庁は「御就任されているとは承知していない」
NEWSポストセブン
11月に不倫が報じられ、役職停止となった国民民主党の玉木雄一郎代表、相手のタレントは小泉みゆき(左・時事通信フォト、右・ブログより)
《国民・玉木代表が役職停止処分》お相手の元グラドル・小泉みゆき「連絡は取れているんですが…」観光大使つとめる高松市が答えた“意外な現状”
NEWSポストセブン
10月末に行なわれたデモ。参加者は新撰組の衣装に扮し、横断幕を掲げた。巨大なデコトラックも動員
《男性向けサービスの特殊浴場店が暴力団にNO!》「無法地帯」茨城の歓楽街で「新撰組コスプレ暴排デモ」が行なわれた真相
NEWSポストセブン
秋田県ではクマの出没について注意喚起している(同県HPより)
「クマにお歌を教えてあげたよ」秋田県で人身被害が拡大…背景にあった獣と共存してきた山間集落の消滅
NEWSポストセブン
姜卓君被告(本人SNSより)。右は現在の靖国神社
《靖国神社にトイレの落書き》日本在住の中国人被告(29)は「処理水放出が許せなかった」と動機語るも…共犯者と「海鮮居酒屋で前夜祭」の“矛盾”
NEWSポストセブン
公選法違反で逮捕された田淵容疑者(左)。右は女性スタッフ
「猫耳のカチューシャはマストで」「ガンガンバズらせようよ」選挙法違反で逮捕の医師らが女性スタッフの前でノリノリで行なっていた“奇行”の数々 「クリニックの前に警察がいる」と慌てふためいて…【半ケツビラ配り】
NEWSポストセブン
「ホワイトハウス表敬訪問」問題で悩まされる大谷翔平(写真/AFLO)
大谷翔平を悩ます、優勝チームの「ホワイトハウス表敬訪問」問題 トランプ氏と対面となれば辞退する同僚が続出か 外交問題に発展する最悪シナリオも
女性セブン
2025年にはデビュー40周年を控える磯野貴理子
《1円玉の小銭持ち歩く磯野貴理子》24歳年下元夫と暮らした「愛の巣」に今もこだわる理由、還暦直前に超高級マンションのローンを完済「いまは仕事もマイペースで幸せです」
NEWSポストセブン
医療機関から出てくるNumber_iの平野紫耀と神宮寺勇太
《走り続けた再デビューの1年》Number_i、仕事の間隙を縫って3人揃って医療機関へメンテナンス 徹底した体調管理のもと大忙しの年末へ
女性セブン
白鵬(右)の引退試合にも登場した甥のムンフイデレ(時事通信フォト)
元横綱・白鵬の宮城野親方 弟子のいじめ問題での部屋閉鎖が長引き“期待の甥っ子”ら新弟子候補たちは入門できず宙ぶらりん状態
週刊ポスト
大谷(時事通信フォト)のシーズンを支え続けた真美子夫人(AFLO)
《真美子さんのサポートも》大谷翔平の新通訳候補に急浮上した“新たな日本人女性”の存在「子育て経験」「犬」「バスケ」の共通点
NEWSポストセブン
自身のInstagramで離婚を発表した菊川怜
《離婚で好感度ダウンは過去のこと》資産400億円実業家と離婚の菊川怜もバラエティーで脚光浴びるのは確実か ママタレが離婚後も活躍する条件は「経済力と学歴」 
NEWSポストセブン