結婚の「分岐点」をレポートするシリーズ。今回は、婚活中の亜美(あみ)さん、34歳の場合。顔も年収も学歴も気にしない。だが、彼女には譲れない条件がある。理想を追求するか、現実的になるか。未婚化、晩婚化が進むなか、悩めるアラサー婚活の胸のうちに迫る。
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◆“サブカル女子”の理想の相手
都内のIT系企業で働く亜美(仮名)さん34歳。コロナ禍でもオンラインを駆使するなど婚活に励んでいるが、いまだ良縁に恵まれず、焦っていると話す。女優の高畑充希に似た容姿に加え、兄が2人いる3人きょうだいの末っ子という甘え上手なキャラクター。「正直言ってモテてきた人生」にもかかわらず、恋愛や婚活では、ある“落とし穴”にはまりがちだった。
「前に付き合っていた人は、バーで一人で飲んでいるときに隣りになって、話しかけられた男性でした。5歳年上で、大好きな小林賢太郎さん(ラーメンズ)の話で盛り上がって、こんなに話があう人っている?! って思ってめちゃくちゃ盛り上がって、その日は金曜だったから、3時くらいまで飲みました。で、翌日も、その翌日も会って飲んで、流れであっという間にそういうことになったのですが……、既婚者でした。最初は隠してたんです。出会って3ヶ月くらいして、私が結婚という言葉をよく出すようになったら、実は、と。もうびっくりして、ショックで、なかなか立ち直れなかったですね」
それが1年ほど前のことだ。亜美さんの好みは「面白い人」。具体的に言えば、趣味や話の合う人が譲れない条件だという。簡単そうでいて、容易ではない。だから彼女にとって面白い人に出会うと前のめりになってしまうそうだ。
「友達には、サブカル女子って言われてきました。福井の出身なのですが、すごく田舎で、娯楽がぜんぜんなくて、テレビは家に一つしかなくて、なかなか好きな番組が見られない。唯一の娯楽が雑誌で、愛読していたのが『TV Bros.(テレビブロス』。学校ではちょっと浮いてたけど、別に気にしませんでした。お笑いとか映画とか舞台とか……、こういう世界が東京にはあるんだなと憧れて、頑張って東京に出てきたんです。だから、ある程度、自分と趣味が合ったり話しが合ったりする人でないと、好きになれないんですよ」
亜美さんの男性の好みはリリー・フランキーと綾野剛。なかなかにハードルが高そうだ。そもそも「面白い」という基準は感覚的で曖昧だ。とはいえサブカル好きな男子も、しかるべきところには存在するだろう。