お笑い界の年末の風物詩、『M-1グランプリ2020』(ABCテレビ・テレビ朝日系)の決勝戦が、12月20日に開催されることが決まった。新型コロナウイルスの感染拡大によって開催そのものが不安視されていた今回の「M-1」だが、無事に1回戦は終了し、10月末から11月半ばにかけて行われる2回戦のネタ動画が、公式サイトで最速で公開されている。
毎年、この時期になると、芸人たちやお笑いファンの間では、日頃のお笑いライブや単独ライブの様子を通じて、「あのグループが仕上がっている」「あのグループは勢いがある」といった話題が飛び交う。しかし、よしもとの劇場が緊急事態宣言解除後も10月まで劇場の座席数を大幅に減らし、また単独ライブなども開催が困難であったこともあって、例年のような仕上がり具合の探り合いも難しい状況にある。
手がかりとなるのは、「よしもと漫才劇場」(以下マンゲキ)や「よしもと無限大ホール」で開催される若手芸人を中心としたネタ見せライブの様子だ。特に劇場での舞台出演数が多いよしもとの若手芸人は、「M-1」が近づくにつれ、規定の4分間の漫才ネタを何度も披露し、客の反応を見ながら微修正をくわえ、完成度を高めていくのが通例となっている。
大阪のマンゲキに足繁く通うお笑いファン・Aさん(30代)は、劇場での若手芸人たちの勢いについて、次のように語る。
「マンゲキではオール新ネタを下ろす『新ネタライブ!!ハイキック寄席!!』という企画があるのですが、そこで大きくウケて目立っていたのは『キングオブコント2020』で決勝戦に出場した『ロングコートダディ』や『ニッポンの社長』ですね。ほかにも霜降り明星・粗品も注目する『コウテイ』や『カベポスター』、そして『エンペラー』や『からし蓮根』のウケもよかったです。今や風格すらある『学天即』の漫才も毎回拍手笑いが起きています。
M-1の公式サイトで2回戦の全ネタがアップされていますが、『アキナ』は劇場でコントとして披露してきた鉄板ネタを、漫才にアレンジしたものを披露していました。やはり実力派コンビなので今年も注目したいです。
正直、毎週劇場に通っているものの『仕上げてきている!』と感じるコンビは、まだ多いわけではありません。どの芸人さんの漫才も面白いのですが、M-1用の4分間ネタを仕上げてくる緊張感は、やはりもう少し差し迫ってきてからになるでしょう」(A氏)