秋に旬を迎える「マツタケ」。東京・銀座の日本料理店「銀座 和久多」では、このシーズンを迎えると松茸特別懐石コースが登場する。
店主で料理長の亀山昌和さんがこの日、築地場外市場にある青果仲卸業者を訪れ仕入れた岩手県産マツタケは、1本1万円以上の極上品など約30本。国産マツタケは香りが高く、価格は海外産の3~10倍という。亀山さんはまるで宝飾品を磨くかのように、長さ20センチを超えるマツタケの柄を白い布で優しく拭き、表面の土を丁寧に落としていく。
「今年は豊作で、高品質で生育のよい国産マツタケが例年より手に入りやすくなっています。いいマツタケを仕入れるため事前に仲卸業者に連絡しますが、仕入れ当日に現場で見て吟味したものを購入します。その時に最も良い産地のものを仲卸業者から買うほか、香りや旨味が強い岩手県山田町産を現地から送ってもらっています。
今秋は収穫時期が例年より少し遅れているため、11月中旬までマツタケが出荷される見通しです。店でも例年より2週間程長く松茸懐石コースを提供できそうです」
マツタケ料理を扱う「Go Toイート」対象の店も多く、この機会に“秋の味覚の王様”を味わってみてはいかがだろうか。
●銀座 和久多
【住所】東京都中央区銀座8-3-1 銀座時傳ビル5階
【営業時間】昼:火~土12時~13時(L.O.)※前日までに要予約。
夜:月~土18時~20時半(L.O.)※夜は別途サービス料加算
【定休日】日・祝、第1土曜
※松茸特別懐石コース(2万1000円、2万5000円、3万円の各コース ※税別サービス料別)は2人前から、2日前までに要予約。
■取材・文/上田千春 撮影/中庭愉生
※週刊ポスト2020年11月6・13日号