国内

国立歴史博物館初のジェンダー企画展が大反響 関係者も驚き

(写真/時事通信社)

女性閣僚が2人しかおらず「おじいちゃん内閣」と揶揄された菅内閣(写真/時事通信社)

「同じ女性としてどう思う?って意見をよく求められるんですけど、多かろうが少なかろうが、なんとも思わない」

 9月20日放送の『サンデージャポン』(TBS系)でこう発言して注目されたのは、「美のカリスマ」として若い女性に人気のフリーアナウンサーの田中みな実(33才)。9月に発足した菅内閣に女性閣僚が2人しかおらず、平均年齢60.4才であることから「おじいちゃん内閣」と揶揄されることに対しての意見だった。

「社会のあらゆる分野において、2020年までに、指導的地位に女性が占める割合が、少なくとも30%程度になるよう期待する」

 内閣府男女共同参画局がそう目標を決定したのが2003年。2012年にスタートした第2次安倍内閣は、発足当初から「すべての女性が輝く社会づくり」を掲げたが目標からはほど遠い結果に終わった。菅内閣ではさらに“後退”したかに見える。しかし、インターネットでは冒頭の田中の発言に好意的な声も少なくない。

 20才になった娘から、「彼女が言っている通りじゃないの? 私も、男か女じゃなくて、実力のある人が官僚になって日本をよくしてくれればいいと思うよ」と言われたことを明かしたのは、フリージャーナリストの島沢優子さんだ。

 女性ゆえに社会で差別される事例を多く知る島沢さんは、「FRaUweb(現代ビジネス)」に連載する「子育てアップデート~子どもを伸ばす親の条件」(10月5日配信分)で、田中の意見に賛同する娘に対し、「母は解せない」と懐疑的だ。

「自分たちは女性差別を実体験として感じにくい世代」だと話す娘に、島沢さんは、男女が気持ちよく生きられる社会を実現するには、「実力者が上に立つ」という結果に目を向ける前に、男女が等しく社会に参加できる「機会の平等」が実現できているのかが重要だと投げかける。母と娘がそれぞれの立場で意見を語り、互いの考えを理解していく親子の対話からは、性差による差別への意識が世代や環境などによって大きく異なることを知ることができる。

 現代はひと昔前より学校の対応が柔軟になり、ランドセルの色や制服のスカート着用が本人の意思で選べるようになっていたり、「男子が先」が暗黙のルールだった生徒名簿が男女混合というケースも多い。

 しかし一方で、世界経済フォーラムが2019年12月に公表した「ジェンダー・ギャップ指数」において、日本は153か国中、121位だった。この順位は、経済や政治の場において日本の男女格差が依然大きいことを表している。

 森喜朗元首相が2003年に「赤ん坊を1人も産まない女性が自由を謳歌し、『税金で助けてください』というのはおかしな話」と語って批判を浴びた4年後、当時の柳澤伯夫厚生労働相が「女性は子供を産む機械」と失言した。最近も、自民党の白石正輝足立区議が「同性愛者が増えると足立区が滅びる」といった趣旨の発言をし、批判の声が広がった。

「女性は子供を産むことが最大の務め」とする“常識”がいまも日本社会に根深く残っていることを感じさせるが、日本の長い歴史を振り返ると、これが昔ながらの“常識”ではないことがわかる。さらに過去には、女性と男性の違いにこだわらなかった時代があったこともわかる。性差はどのようにして生まれ、変化したのだろうか。

スクープを通知で受け取る(無料)

関連記事

トピックス

左:激太り後の水原被告、右:2月6日、懲役刑を言い渡された時の水原被告(左:AFLO、右:時事通信)
《3度目の正直「ついに収監」》水原一平被告と最愛の妻はすでに別居状態か〈私の夢は彼と小さな結婚式を挙げること〉 ペットとの面会に米連邦刑務局は「ノー!ノー!ノー!」
NEWSポストセブン
9月に成年式を控える悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
悠仁さまが学園祭にご参加、裏方として“不思議な飲み物”を販売 女性グループからの撮影リクエストにピースサイン、宮内庁関係者は“会いに行ける皇族化”を懸念 
女性セブン
衆院広島5区の支部長に選出された今井健仁氏にトラブル(ホームページより)
【スクープ】自民広島5区新候補、東大卒弁護士が「イカサマM&A事件」で8000万円賠償を命じられていた
週刊ポスト
V9伝説を振り返った長嶋茂雄さんのロングインタビューを再録
【長嶋茂雄さんロングインタビュー特別再録】永久不滅のV9伝説「あの頃は試合をしていても負ける気がしなかった。やっていた本人が言うんだから間違いないよ」
週刊ポスト
“超ミニ丈”のテニスウェア姿を披露した園田選手(本人インスタグラムより)
《けしからん恵体で注目》プロテニス選手・園田彩乃「ほしい物リスト」に並ぶ生々しい高単価商品の数々…初のファンミ価格は強気のお値段
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏(=左。時事通信フォト)と望月衣塑子記者
山尾志桜里氏“公認取り消し問題”に望月衣塑子記者が国民民主党・玉木代表を猛批判「自分で出馬を誘っておいて、国民受けが良くないと即切り捨てる」
週刊ポスト
「〈ゆりかご〉出身の全員が、幸せを感じて生きられるのが理想です。」
「自分は捨てられたと思うのは簡単。でも…」赤ちゃんポスト第1号・宮津航一さん(21)が「ゆりかごは《子どもの捨て場所》じゃない」と思う“理由”
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
2013年大阪桐蔭の春夏甲子園出場に主力として貢献した福森大翔(本人提供)
【10万人に6例未満のがんと闘う甲子園のスター】絶望を支える妻の献身「私が治すから大丈夫」オリックス・森友哉、元阪神・西岡や岩田も応援
NEWSポストセブン
ヨグマタ相川圭子 ヒマラヤ大聖者の人生相談
ヨグマタ相川圭子 ヒマラヤ大聖者の人生相談【第24回】現在70歳。自分は、人に何かを与えられる存在だったのか…これから私にできることはありますか?
週刊ポスト
「週刊ポスト」本日発売! 食卓を汚染する「危ない輸入冷凍食品」の闇ほか
「週刊ポスト」本日発売! 食卓を汚染する「危ない輸入冷凍食品」の闇ほか
NEWSポストセブン