スポーツ

優勝のSB 選手の囲い込みすぎで有望株も年俸据え置き続出か

コロナ禍の入場者数制限が球団経営を圧迫(時事通信フォト)

コロナ禍の入場者数制限が球団経営を圧迫(時事通信フォト)

「グラウンドには銭が落ちている」─―南海の名将・鶴岡一人氏は、かつてこんな言葉を残した。見事な成績を残し、チームに勝利をもたらせば、その努力は「年俸」という形で報われる。それが実力主義のプロ野球の大原則だ。しかし、コロナが猛威を振るった2020年はそうはならない。各球団とも過去に例のない減収・減益で、そのしわ寄せは選手たちに──。

優勝しても喜べない!?

 大のプロ野球ファンとして知られる宮本勝浩・関西大名誉教授(経済学)が、興味深い試算を発表した。今年のコロナ禍でプロ球界が被った経済的損失は、12球団で約1423億円に上り、1球団平均では約120億円になるという。宮本教授が言う。

「今年のレギュラーシーズンは通常より23試合少ない120試合。当初は無観客で、現在も本来の収容人数の50%までしか観客を入れられていない。今年の総観客数は例年の約25%にとどまると推計されます。

 今年は全12球団が大赤字を抱えるのは間違いなく、とくに例年なら年間300万人以上動員する阪神や巨人のような人気球団ほど減収幅は大きくなる。球団経営はかなり厳しい状況で、オフの契約更改に大きく影響するのは間違いありません」

 すでにセ・リーグでは巨人、パ・リーグではソフトバンクが優勝を決めているが、両チームも手放しで喜べる状況ではない。

「NPB(日本野球機構)の斉藤惇コミッショナーは日本シリーズでの観客上限緩和に慎重な姿勢を示している。とくにセではCS(クライマックスシリーズ)も行なわれないため、これまでの優勝時のような集客は見込めないでしょう。その一方で、優勝した以上、功労者やタイトルホルダーには年俸アップで応えなければならない。その原資をどう捻出するか、フロントは頭を抱えているはずです」(スポーツ紙デスク)

関連キーワード

関連記事

トピックス

折田氏(本人のinstagramより)と斎藤知事(時事通信)
《折田楓社長のPR会社》「コンペで5年連続優勝」の広島市は「絶対に出来レースではありません」と回答 斎藤知事の仕事だけ「ボランティア」に高まる違和感
NEWSポストセブン
加古川
【獄中肉声・独占入手】加古川女児殺害事件で再逮捕の勝田州彦容疑者「ケータイをいじりながら、一般人のフリをして歩いて」「犯行後には着替えを用意」と明かしていた“手口”
NEWSポストセブン
紅白の
《スケジュールは空けてある》目玉候補に次々と断られる紅白歌合戦、隠し玉に近藤真彦が急浮上 中森明菜と“禁断”の共演はあるのか
女性セブン
騒動の中心になったイギリス人女性(SNSより)
《次は高校の卒業旅行に突撃》「1年間で600人と寝た」オーストラリア人女性(26)が“強制送還”された後にぶちあげた新計画に騒然
NEWSポストセブン
中井貴一
中井貴一、好調『ザ・トラベルナース』の相棒・岡田将生の結婚に手を叩いて大喜び、プライベートでゴルフに行くほどの仲の良さ 撮影時には適度な緊張感も
女性セブン
折田楓氏(本人のinstagramより)
《バーキン、ヴィトンのバッグで話題》PR会社社長・折田楓氏(32)の「愛用のセットアップが品切れ」にメーカーが答えた「意外な回答」
NEWSポストセブン
小沢一郎・衆院議員の目には石破政権がどう映っているのか(本誌撮影)
【小沢一郎氏インタビュー】自民党幹部に伝えた石破政権の宿命「連立をきちんと組まない不安定な政権では有権者に迷惑、短命に終わる」
週刊ポスト
東北楽天イーグルスを退団することを電撃発表し
《楽天退団・田中将大の移籍先を握る》沈黙の年上妻・里田まいの本心「数年前から東京に拠点」自身のブランドも立ち上げ
NEWSポストセブン
妻ではない女性とデートが目撃された岸部一徳
《ショートカット美女とお泊まり》岸部一徳「妻ではない女性」との関係を直撃 語っていた“達観した人生観”「年取れば男も女も皆同じ顔になる」
NEWSポストセブン
再ブレイクを目指すいしだ壱成
《いしだ壱成・独占インタビュー》ダウンタウン・松本人志の“言葉”に涙を流して決意した「役者」での再起
NEWSポストセブン
ラフな格好の窪田正孝と水川あさみ(2024年11月中旬)
【紙袋を代わりに】水川あさみと窪田正孝 「結婚5年」でも「一緒に映画鑑賞」の心地いい距離感
NEWSポストセブン
司忍組長も傘下組織組員の「オレオレ詐欺」による使用者責任で訴訟を起こされている(時事通信フォト)
【山口組分裂抗争】神戸山口組・井上邦雄組長の「ボディガード」が電撃引退していた これで初期メンバー13人→3人へ
NEWSポストセブン