例年なら日本シリーズも終わり、シーズンオフに突入しているプロ野球だが、今年の日本シリーズはこれから。熱い戦いが繰り広げられようとする一方で、選手には厳しい冬となりそうだ。コロナ禍により各球団は大幅に収入が減少。契約更改は厳しくなることが予想される。
セの覇者・巨人も史上最大の大減俸・リストラの嵐が吹き荒れそうだ。9月末、大塚淳弘球団副代表が「13~14人の選手を自由契約、または育成契約へ変更する」と明言した。11月2日には、投手の藤岡貴裕(31)と田原誠次(31)、野手の村上海斗(25)、加藤脩平(21)に来季の契約を結ばないことが通達された。
「円満引退の形をとってはいるが、岩隈久志(39=年俸2000万円)も事実上のリストラだった。すでに関係者内で“第二の岩隈”と言われているのが、2018年に西武からFA移籍した野上亮磨(33=同1億5000万円)です。今年は3年契約の最終年で、大減俸か自由契約かを突きつけられそうです。
年俸はそれほど高くないが、宮國椋丞(28=同2740万円)、大竹寛(37=同5000万円)も“整理ポスト”に入っているのではないかと言われています」(巨人担当記者)
巨人にとって頭が痛いのは、主力選手に単年契約の選手が多くいることだ。
「本塁打王と打点王の二冠を狙う岡本和真(24=年俸1億4000万円)、丸佳浩(31=同4億5000万円)、最多勝確実の菅野(31=同6億5000万円)がいずれも単年契約です。今年の活躍を考えれば、例年なら3人とも億単位の大幅アップは確実。この状況のなか、それをやれるのか注目が集まっている」(同前)
その「強さ」がストーブリーグのネックとなるのは、パ・リーグ優勝のソフトバンクも同じ。ソフトバンク、巨人にはこんな資金捻出の可能性も噂されている。
「両チームのエース、千賀滉大(27=年俸1億6000万円)と菅野のポスティングによるメジャー移籍容認です。これまで菅野は海外FA権を取得する2021年のシーズン終了後、千賀は2022年の移籍が濃厚と見られていた。
しかし、このコロナ不況で球団に10億円超の譲渡金が入るポスティングの容認に現実味が増してきた。2人とも一刻も早く渡米したいのが本音だし、ダルビッシュ有(34・カブス)や前田健太(32・ツインズ)の活躍で日本人投手の注目度はうなぎ登り。移籍容認の可能性もあり得る」(スポーツ紙デスク)
リーグ制覇の立役者が2人ともメジャーに―このオフ、そんなビッグニュースが飛び込むか。
※週刊ポスト2020年11月20日号