新型コロナウイルスの影響でスタート時期がずれ、すっかりペースが乱れていたドラマ放送も、徐々に足並みがそろってきた。話題作も多い秋ドラマのなかで、業界内で注目されているのは、どの作品か?
『七人の秘書』(テレビ朝日系・木曜21時)は、強い女性たちが主役のドラマ。普段は要人を支える「縁の下の力持ち」である秘書たちが、理不尽に満ちた社会を裏から操り、変えていくというストーリー。視聴率も第3話までの時点で、毎回13%超えを記録している。
「当局の『ドクターX』シリーズと同じく、中園ミホさんの脚本で、1話完結の勧善懲悪モノ。コロナ禍ということもあり、ロケは極力減らして、なるべく秘書室とラーメン店で撮影しているようですが、出演者の豪華さやナレーションの入り方など脚本のテンポのよさのおかげで撮影場所の使い回しがまったく気にならない。
これは、天海祐希さん(53才)主演で大ヒットした『緊急取調室』で培ったノウハウだそうで、テレ朝ドラマのDNAを結集した作品だと話題です」(テレビ朝日関係者)
漫画家でテレビウオッチャーのカトリーヌあやこさんも「観続けたいドラマ」として太鼓判を押す。
「カッコいい女性たちが悪いオジサンたちをギャフンと言わせるのが痛快。チャーリーズ・エンジェル的に7人が集結し活躍しているので、これからそれぞれの過去が明かされていくストーリーに期待しています」
前出のテレビ朝日関係者は映画『新聞記者』でヒロインを演じた韓国人女優、シム・ウンギョン(26才)に注目するが、視聴者の間では想定外の勘違いも頻発しているとか。
「日本語が完璧でないものの、彼女の表情の演技がせりふのつたなさをカバーし、すごく存在感があるんですよ。ただ、髪形や眉毛がイモトアヤコさん(34才)に似ているからか、視聴者の中には、イモトさん本人だと思っている人がすごく多い。ウンギョンさんは韓国で子役時代から活躍する女優さんです(笑い)」
月9史上初となる2クール連続の放送に挑んだのが『監察医 朝顔』(フジテレビ系・月曜21時)。昨年放送された同名ドラマの続編で、上野樹里(34才)演じる法医学者の朝顔が、時任三郎(62才)扮する刑事の父らとともに遺体の痕跡から謎を解き明かし、その人の生きた証を見つけていくヒューマンドラマだ。テレビ解説者の木村隆志さんはこう話す。
「朝顔は、東日本大震災で行方不明になった母親を捜し続けているという設定。ちょうど来年の3月で震災から10年を迎えるため、どのような描き方をするのか注目しています」
※女性セブン2020年11月26日号