J-POP、ドラマ、そして漫画と、異なるシーンにおいてそれぞれいまなお第一線を走る“レジェンド”がこのたびドラマ『恋する母たち』(TBS系、毎週金曜22時~)で夢の共演を果たした。大人のトキメキと欲望をテーマにしたドラマにちなみ、3人がラジオ『Yuming Chord』(TOKYO FM、毎週金曜11時〜)で“オトナの恋愛相談”を開催。ドラマや主題歌の裏話から、恋の醍醐味、作品の創作秘話までたっぷり語った収録&オリジナルインタビューをお送りします。
松任谷由実(以下、松任谷):柴門さんとは1991年に『an・an』で林真理子さんと3人で表紙を飾って座談会をしたことが強烈な想い出としてあるんですが、覚えていらっしゃいますか。
柴門ふみ(以下、柴門):もちろんです。憧れのユーミン様と鼎談できるなんてと、本当にうれしくて。ユーミンの音楽との出会いは大学時代で、合コンで知り合った東大の学生が友人に貸したカセットで初めて聴いて、大好きになりました。
まだ漫画家にもなっていない頃に『朝陽の中で微笑んで』(荒井由実)を聴き、けだるさと幸福感を含みながら、でもどこかさみしい。これがユーミンワールドなんだなと感動して、「いつか自分もこんな漫画が描きたい」と思ったんです。デビューをして20代はユーミンの曲をバックに泣きながら漫画を描いていました。もういくつもインスパイアされて……。
松任谷:まぁ、うれしい!
柴門:そんな経緯もありまして、『恋する母たち』(以下、『恋母』)の主題歌がユーミンさんになりましたと、ドラマのプロデューサーさんにうかがったときには心からうれしかったんです。
松任谷:大石さんとも、もう随分前になりますが、脚本を手がけられたドラマで主題歌を担当させていただいて。
大石静(以下、大石):はい、『私の運命』(1994~1995年、TBS系)のときに。
松任谷:そんな私たちが今回またご縁があって、原作・脚本・主題歌担当として『恋母』で集うことになりました。
柴門:原作では3人の母を1人ずつ追いかけていますが、大石さんが書いてくださったドラマでは3人を同時の時間軸で描くので毎回あっという間に見終わってしまう。杏(木村佳乃)、優子(吉田羊)、まり(仲里依紗)の3人がそれぞれ違うチャーミングさで訴えかけてきて、生身の人間はやはりすごいなと感じました。役者さんが皆さん素晴らしい。阿部サダヲさん演じる丸太郎の落語のシーンも圧巻でした。
松任谷:本物の落語家さんみたいで。
柴門:その上、なんだかエロくて。
大石:生の阿部サダヲさんを間近で見るとフェロモンを出しまくっていて、ついていきたくなりますよ(笑い)。
松任谷:たくさんの俳優さんをご覧になった大石さんが、フェロモンって。
大石:彼は今ノリに乗っています。才能もあり自信もあって、その姿が色っぽいんですよね。個人的には長谷川博己さんのような背が高くシュッとした人がタイプなのですが、いまはすっかり阿部サダヲさんに恋しています。
松任谷:本来はタイプじゃないはずなのに……というのは本当の恋みたい。
柴門:『恋母』のまりがそうなんですよね。丸太郎は弁護士の旦那に比べたら高卒だし、イケメンでもないし、「でも、好き」と心がときめく。