持ち前の“オーバースイング”は健在だったが、中継を見たファンからは「あんなに体をねじって大丈夫か、ハラハラしてしまった」(65歳男性)といった声が聞こえてきた。妊娠7か月で「TOTOジャパンクラシック」(11月6~8日)に出場した横峯さくら(34)だ。
「米ツアー参戦時に妊娠中も大会に出る選手を見て刺激を受け、挑戦を決めたそうです。予選落ちがない大会なので、精神的負担も軽かったのだろう」(ゴルフ雑誌記者)
プレーへの影響はやはり大きく、77人中76位で大会を終えた後、横峯は「ドライバーの飛距離は20ヤードくらい落ちた」と振り返った。周囲の応対も様々だったようだ。
「練習ラウンドでは新婚のイ・ボミ(32)が“私も赤ちゃんが欲しい”と声をかけていた。初日は出産経験のある若林舞衣子(32)が同組で、横峯は復帰のタイミングなどを熱心に聞いていました。
ラウンド中はディボット跡などでつまずいたりしないか、周囲は心配そうに見ていましたね。ただ、キャディの御主人がかなり気を遣っていた。横峯だけがゆっくり歩いて前組に遅れるとスロープレーでペナルティになるので、同組の選手もあまり急ぎ足にならないよう気遣っている様子でした」(ツアー関係者)
出産予定日は2月21日で、今回が出産前最後のラウンド。復帰は来年8~9月の予定だ。
「今後は子育てと仕事の両立が目標だという。日本では出産後の優勝経験者が森口祐子はじめ5人いるが、2003年以来その例がない。ジュニア育成の発展で選手の低年齢化が進んだ影響は大きく、母になった横峯が好成績を残す道は険しい」(同前)
そのハードルを越えて、新たな“さくら伝説”を作ってほしい。
※週刊ポスト2020年11月27日・12月4日号