体当たり企画でおなじみの、女性セブンのアラ還ライター“オバ記者”こと野原広子が、世の中の様々な出来事にゆるくツッコミを入れる! 今回のテーマは、世間にはびこる「誹謗中傷」です。
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「土下座しろ」「ウソつくな、この野郎ぅ」「お前、ふざけんなぁ」「恥を知れーぃ」「黙れよぉ」「いい加減なこと言うんじゃねーぞぉ」「バカなこと言ってんじゃねーよ」「どんな根拠があって言ってんだ。数字で示せ、数字でぇぇ」「お前が言うな」「じゃあ、お前がやれよぉ」「うおおお、うおおおお」
ライターのかたわら、2年前から衆議院議員の事務所でアルバイトをしているが、国会本会議の傍聴に見学者を案内するたび、すさまじい野次を聴くことになる。
テレビの国会中継では、NHKのマイクがよほど高性能なのか、お茶の間には届かないけれど、現実はまるで反社系Vシネマの世界。そこに“姐さん”の金切り声が混じるから阿鼻叫喚。地獄絵図よ。
先日、菅(義偉)総理の所信表明のとき、怒号で何度か総理の演説が中断した。それで菅総理が「ちょっと静かにしてもらえませんか?」と議長に訴えたんだけど、本会議場の空気は「この程度で!?」という感じだったと、その場にいた政治記者(34才)は呆れていた。
いわく、あの程度の野次は普通のことで、「本会議は、全員が同じ方向を向いているから、大声を出して罵ったところで顔がバレないし、議事録にも載らない。それで、与野党関係なく怒鳴り合って、演説の妨害をする。SNSの匿名コメントとなんら変わんないですよ」と。
SNSといえば、誹謗中傷に殺人予告まで、思いつく限りの非道コメントが並ぶのは広く知られている。それで何人か逮捕者も出ているけれど、最近は、ほのぼの系のYouTubeにまで第三者からの許しがたい中傷コメントが送られてきて、傷ついた投稿者がチャンネルを閉鎖したりしているのよね。
先日、こんなことがあった。ネバネバのネズミ捕りにかかって衰弱していた子猫を救助してあげて、その後、かわいがっている様子を動画でアップしていた30代男子T君。子猫は順調に成長していたけれど、2か月後に突然亡くなった。
ご本人の憔悴ぶりは大変なもので、「ごめんなさい」と謝る姿にみんな泣いた。私も泣いた。でもコメント欄がえらく荒れている。「子猫の死を公表して、金にして恥ずかしくないのか」と書き込んだ人が、1人じゃなかったのよ。
イヤなら見なきゃいいし、登録を解除することだってできる。なんでわざわざ時間をかけて、長々といやがらせコメントを書くのよ。