「病院に行くのはコロナが怖いしなぁ……でもオレの身体は大丈夫なのかなぁ」。こんなことを考えながら、あっさりと水に流している、その液体こそ大切な健康のバロメーターだ。
いまや“尿検査”で分かる病気は多い。順天堂大学医学部附属順天堂医院泌尿器科の磯谷周治医師が解説する。
「尿検査では、腎臓病や膀胱・尿管・尿道の病気のほか、血液の病気や心臓病、肝臓病、膵臓病などが判定できます。さらにホルモンバランスの崩れによる病気、体内にできた腫瘍、ストレスなど精神神経科の病気の一部も尿の成分から分かります」
高齢化が進む日本では「健康」「長寿」に関わる分野が成長市場と目されている。中でも、進歩著しい尿検査は注目の的だ。
サプリメントの製造・販売を手がけるファンケルは、今年2月、尿から不足する栄養素を識別し、オーダーメイドでサプリメントを提供する『パーソナルワン』事業を開始した。
このサービスはネットから申し込む。食生活、生活習慣に関する45問のアンケートに回答すると、自宅に検査キットが届く。検体は採尿当日中にポストに投函すればいい。
約1週間で不足する栄養素が報告され、最適なサプリの組み合わせの提案を受けられる。サプリは全33種類で、組み合わせは10億通り以上になるという。価格は検査キットが5000円(税抜)、サプリは月額4000円から。
「従来の尿検査ではできなかった亜鉛や鉄が新たに検出できるようになりました。ビタミンB1やカルシウムなど6種類の栄養素の過不足が判定できます。血液検査に比べて簡便で、痛みがないことも利点です」(社長室広報グループ)