年末恒例、ジャンボ宝くじの発売時期となった。今年は新型コロナの影響で様々なイベントの延期や中止が相次いだ。感染第2波が過ぎ去った秋にはGo Toキャンペーンが本格化。地域活性化・需要喚起が図られたが、ここにきて第3波が襲来して再び自粛を迫られつつある。こうした中で発売される年末ジャンボ宝くじは、コロナ禍をしばし忘れて億万長者の夢をみる気晴らしになるかもしれない。では、今回の年末ジャンボはどう買うべきか──。ニッセイ基礎研究所主席研究員の篠原拓也氏が考察する。
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年末の風物詩の1つとして、ジャンボ宝くじはすっかり定着している。コロナ禍で様々なイベントが延期・中止・縮小される中で、今年の年末ジャンボ宝くじは例年以上にレクリエーションとしての価値が高まっているものと思われる。
今年も最高当せん金は1等前後賞あわせて10億円。昨年までと同様の一攫千金のチャンスだ。しかし、細かい点では変更となった部分もある。変更された点をみながら、今年は何を狙うべきか考えてみよう。
当せん金1万円以上の本数が1.4倍に増える!
よく知られたことではあるが、年末ジャンボ宝くじには、「年末ジャンボ」と「年末ジャンボミニ」の2つがある。「1等前後賞あわせて10億円」のうたい文句で販売されるのは、年末ジャンボだ。これに対して、年末ジャンボミニの当せん金の最高額は、1等前後賞あわせて5000万円にとどまる。
それでは、年末ジャンボでは何が変更となったか。変更点は7つあげられる。
【1】2等1000万円の当せん本数が、1ユニット(=2000万本)あたり3本から4本に増加
【2】3等100万円の当せん本数が、1ユニットあたり100本から40本に減少
【3】4等の当せん金額が、10万円から5万円に半減(当せん本数は変わらず)
【4】5等1万円の当せん本数が、1ユニットあたり4万本から6万本に増加
【5】年末ラッキー賞2万円(1ユニットあたり2000本)がなくなった
【6】これらの結果、1ユニットあたりの当せん本数は224万4305本から226万2246本に増加
【7】1枚300円に対する当せん金の平均受取額は、149.495円から149.995円に0.5円増額
このうち、もっとも注目すべきは、【4】の5等1万円の当せん本数が増加する点だ。この変更により、1万円以上の当せん金が当たるくじの本数は、1ユニット(2000万本)あたり、昨年の4万4305本から今年は6万2246本へと4割以上増加する。
誰でも1枚300円のくじを買って、1万円以上の当せん金が当たれば嬉しいだろう。この嬉しさを多くの人に味わってもらいたい。今回の変更には、主催者側のそんな意図が感じられる。