三冠馬が3頭揃った「奇跡のドリームレース」といわれるジャパンカップで盛り上がる競馬界。本誌・週刊ポストでは800人を対象にした読者アンケートを実施し、「忘れられない昭和の名馬」を挙げてもらった。
堂々の1位は70年代に第一次競馬ブームを巻き起こしたハイセイコーだ。
「子供からお年寄りまで夢中になった、元祖アイドルホースです。地方競馬の大井出身で、中央競馬のエリートたちを負かしていく姿を応援するファンが多かった。大井競馬場の馬券売り場のおばちゃんたちもハイセイコーが出走するときは仕事そっちのけでレースを見ていた」(競馬評論家・阿部幸太郎氏)
ハイセイコーは競馬のイメージを一変させた馬でもあった。
「僕が学生の頃は競馬をやっている人はアウトロー、といった空気があった。ところがハイセイコーの登場で一気にパブリックになりました」(漫画家・黒鉄ヒロシ氏)
4位のシンボリルドルフは「皇帝」と呼ばれ、史上初の無敗クラシック三冠馬となった。
「騎乗していた岡部幸雄さんが言っていたのですが、他の馬が逃げてしまうほどの貫禄がある馬だったといいます」(元JRA騎手でホースコラボレーターの細江純子氏)
名手・岡部がダービーで仕掛けようとしたとき、ルドルフが「まだだ」とばかりに反応せず、競馬を教えてくれたとコメントするほどレースを知っている馬でもあった。
「憎らしいほど強かった。もしかして負けるのでは、という展開がほとんどなく、前に位置してそつのない競馬をし、最後は勝ち切る。ドラマ性がないとも言える馬でした」(阿部氏)
他にも、ランキング外ではあるが「1200メートルから3200メートルまで距離を選ばず、芝もダートも選ばない」(阿部氏)としてタケシバオーを強烈に推す声も。あなたの記憶に残る昭和の名馬はランクインしているだろうか。
※週刊ポスト2020年12月11日号