ビジネス

Go Toに振り回されるホテル現場 チェックインの行列で明暗も

ホテルロビーでの検温も当たり前の光景に(時事通信フォト)

ホテルロビーでの検温も当たり前の光景に(時事通信フォト)

 新型コロナウイルス第3波の襲来によって、一時中止や見直しを余儀なくされているGoToトラベル。自粛営業から一転、フル稼働に沸いていた各地のホテルは再び苦しい経営を強いられることになりそうだが、そもそも付け焼刃的なGo To事業の推進で、ホテルは大混乱に陥っていた。ホテル評論家の瀧澤信秋氏が現場レポートする。

 * * *
 7月下旬にスタートしたGoToトラベル。改変やルール追加も続き、ここにきても相も変わらず物議を醸し出している。最近ではコロナ第3波によって中止を決定する自治体も出ているが、一方でGoTトラベルと感染者の増加に因果関係はないとする主張もあり、“Go To推進”と“Go To中止”の世論が拮抗しているような状況になっている。

 一方で、コロナ禍で閑古鳥が鳴いていたホテルにも多くの人が訪れるようになり、賑わいを取り戻した施設が増えたことはGoTo効果であることに間違いない。ホテルのサービス向上にはスタッフのモチベーションアップは一番の特効薬。宿泊客の増加でスタッフの意欲も再び高まっていた。

 来訪する宿泊客は、常連よりもGoToの性格上初めて訪れる人が多い、という話をあちこちのホテル関係者から聞く。そんなホテルの様子を確認すべく実際に取材に出向くと、ゲスト全員に快適なステイをしてほしいという思いがホテル側に溢れていたが、同時にGoToならではの涙ぐましい努力も現場にはあった。

チェックイン待ちの行列に苦慮する人気ホテル

 都心の人気観光スポットに立地する「ヒルトン東京お台場」(東京都港区)。全室にバルコニーが設けられ、風が吹き抜けるような客室で気軽にリゾート感が味わえることもあり、Go To下でも人気ホテルのひとつだ。

開放感あふれるバルコニーが人気の「ヒルトン東京お台場」

開放感あふれるバルコニーが人気の「ヒルトン東京お台場」

 ところが、チェックイン時刻の15時頃訪れてみると、まず目に入ったのはチェックイン待ちの長い行列だった。

 規模の大きなホテルはチェックインひとつとってみても大変だ。客室数の多い高級ホテルともなれば、ビジネスホテルで見かける自動チェックイン機とはいかず、館内の説明にも相応の時間を要す。とりわけ繁忙日にはこうしたホテルでのチェックインの行列はある種見慣れた光景でもあるが、特にGoTo下ではキャンペーンの説明も必須で、通常の倍以上の時間がかかってしまうとスタッフは平身低頭だ。

 とはいえ、何とかチェックイン待ちの時間を減らそうと、ヒルトン東京では専任スタッフ数名が列に並ぶゲストの元へ。お詫びも兼ねてGoToの説明などを事前に行い、チェックインがスムーズにできるようテキパキこなしている。

関連記事

トピックス

田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
暴力団幹部たちが熱心に取り組む若見えの工夫 ネイルサロンに通い、にんにく注射も 「プラセンタ注射はみんな打ってる」
NEWSポストセブン
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン