《もう一度、世界を旅する日に向かって》──。水平線に向かって進む豪華客船の写真とともに、こう打ち出したのは、今年2月、新型コロナウイルスの感染者712人、死者13人を出し、“悲劇のクルーズ船”といわれた「ダイヤモンド・プリンセス号」を運営するプリンセス・クルーズだ。
11月28日、朝日新聞と読売新聞の朝刊に見開き全面カラー広告を掲載し、営業再開を告知した。復活までの苦労を広報担当者が明かす。
「国立感染症研究所や厚生労働省の指示のもと、約150名のスタッフで大規模な消毒作業を行い、タオルや寝具、カーテンなど船内のすべての備品を交換。換気システムもより高性能なものにアップグレードいたしました。
来る運航再開時には乗船者数を従来の約半数に制限し、ソーシャルディスタンスを確保します。諸外国の渡航制限や感染拡大状況を見て、クルーズを再開する予定で、すでに予想以上のご予約をいただいております」
満を持しての新聞広告だったのだが、間が悪いことにその日は新規感染者が2685人と過去最高を記録。新規の出港は来年7月以降だという。
※女性セブン2020年12月17日号