12月3日、アンジャッシュの渡部建が100分間にわたる謝罪会見を行なった。コロナ禍においては異例とも言える囲み取材のなかでは、複数女性との不倫の真偽について、また年末に放映予定のバラエティ番組に関する質問などが相次いだ。
この模様は、翌日のテレビのワイドショーでも広く取り上げられたが、「不倫した芸能人の謝罪会見」という映像コンテンツを、若い世代はどのように受け止めたのだろうか。記者が大学生たちに取材をしたところ、テレビでの取り上げられ方に不快感を示す声が多く聞こえてきた。
都内の私立大学に通う男子学生・Aさん(19歳)は、こう語る。
「正直、『もう令和だよ? テレビ業界って本当に古いんだな』という一言ですね。渡部さんのことは知っていますが、全盛期のお笑いを見ていた世代ではないので、ネタの面白さなどはよく知りません。バラエティでいじられている司会者というイメージしかない。そもそも芸人に品行方正なんて求めていませんし、勝手に芸能人の秘密を暴いて、そのネタで番組を作って、盛り上がっているのはマスコミだけでは?
僕たち大学生はコロナでバイトのシフトを入れてもらえなかったり、バイトをクビになり大学に通う交通費すら払えない人もいるんです。こんなことよりも、もっと報じるべきことがあるのではないかと、冷めた目で見ていました。周囲の友人も、これを話題にしている人はいなかったですね」(Aさん)
マスコミ関係のゼミに所属しているという私立大学の女子学生・Bさん(20歳)は、こう語る。
「記者会見がネットで中継されるというのは知っていましたが、中世の魔女裁判のように一方的になるのは目に見えていたので、絶対に見ないと決めていました。でも、翌朝テレビをつけると、この謝罪会見の映像ばかり。正直、不愉快でした。
当の芸能人も、質問をする記者も、情報番組でのコメンテーターも含めて、“オトナ”の見たくないところばかり見えた気がします。人が謝罪をしている姿を見て、日々のストレスの溜飲を下げている人もいるのでしょうか。私は報道志望で、将来はテレビ局に就職したいと思っていましたが、ちょっと考え直すかもしれません」(Bさん)