ワクチンの登場が待たれる新型コロナウイルスだが、現時点ではとにかく“予防”するしかない状況だ。日々の生活の中で実践できる感染予防策も少なくない。
外出先から帰宅したときは玄関より先にはウイルスを持ち込まない──もはやこれはコロナ対策の定石だ。
コートやバッグなどには外出先で感染者の飛沫がついた可能性があるので、アルコール消毒すると色落ちするものは玄関にひとまとめに置いておくようにする。もちろん手洗い・うがいも忘れずに。
なかには徹底するあまり玄関先ですべて服を着替えるという人もいるが、一連の行動にはひとつ盲点がある。国立がん研究センター中央病院で感染症部長を務める岩田敏さんはこう言う。
「それは髪の毛です。感染症病棟の従事者は、病院を出るときにシャワー室で髪を洗って帰る人が多い。髪の毛は無意識のうちに手で触ってしまう人も多く、ウイルスが付着している可能性も。私も帰宅後はすぐシャワーを浴びることを心がけています」(岩田さん)
コロナ禍で大幅に増えた宅配の段ボールも“死角”になりうる。KARADA内科クリニック院長で日本感染症学会専門医の佐藤昭裕さんはこう解説する。
「コロナウイルスは場所によって生存時間が異なり、ティッシュペーパーなど紙の上ならば4時間、プラスチックやガラスは3〜4日、段ボールは24時間といわれています。触った後はすぐに手を洗うか、置き配にして2日ほど外に置いたままにするかして、ウイルスをシャットアウトしてください」(佐藤さん)
専門医たちが実践している「必要かつ充分」な対策で、この第3波を乗り切ろう。
※女性セブン2020年12月17日号