〈大鵬の孫 新十両昇進〉──番付編成会議で幕下の納谷が昇進し、「王鵬」に四股名を改めたことが大きく報じられた。しかし、角界でそれ以上に注目なのは、王鵬の父である元関脇・貴闘力だろう。
2010年に野球賭博問題で協会を解雇された貴闘力だが、9月に開設したYouTubeチャンネル「貴闘力部屋」での爆弾発言が、過激さを増している。関西の茶屋関係者がいう。
「動画では『相撲協会再生計画』と題して、年寄株問題、八百長問題、野球賭博事件の内幕などの暗部や、改革すべき悪習を赤裸々に語っている。11月には、かつて大阪場所担当部長として君臨した元横綱の二代目若乃花(元間垣親方)がゲストで登場。大阪場所でのチケット横流しを暴露した。関わった親方の実名を挙げ、それを放置する協会ナンバー2の尾車親方(元大関・琴風)を“A級戦犯”と名指しした」
二所ノ関一門のある行司は、「親方衆も現役の力士たちもほぼ全員が見ているのでは」と話す。
「力関(貴闘力)とはんめ(角界の隠語で“敵対する人物”の意)の親方衆は次に何を言われるかビクビクしているでしょう」(同前)
貴闘力には4人の息子がおり、長男はプロレスラーだが、次男・鵬山、三男・王鵬、四男・夢道鵬は大嶽部屋に在籍する。
「息子たちが現役力士なのに大丈夫かと心配する声もあるが、貴闘力はむしろ過去に協会側から“息子3人を預かっているのだから暴露するな”と言われたことまで動画で暴露した。今後は貴闘力と一緒に解雇された元大関・琴光喜らが登場してより過激になるという見方もある」(担当記者)
角界の暗部がさらに明らかになっていくのか。貴闘力に取材を申し込むと、マネジメント事務所の担当者は「本人は“YouTubeを真剣にやっているので、そちらをきちんと見てほしい”と話している」とコメント。協会に動画について見解を聞いたが、「お答えすることはありません」(広報部)とするのみ。
八角理事長や尾車親方も、チャンネル登録して注視しているのだろうか。
※週刊ポスト2020年12月18日号