中国で少女が入水自殺をする動画がネットで拡散。止められなかった警官に対する批判の声が上がっている。
中国安徽省で12月初旬、「少女が川に飛び込んで自殺しようとしている」との通報を受けた警察官が現場に急行し、川岸に立って懸命に戻るように説得をした。しかし、少女は泣いてばかりで警官の言うことを聞かず、徐々に川の真ん中に進み、そのまま流されて死亡してしまった。この間、警官は川に飛び込むのをためらい、結局何もできなかったという。
ネット上にこの映像が投稿されると、「警官が来ても無意味だった。彼女の気持ちを混乱させただけだ」との批判の書き込みが見られた。さらに、11月に重慶市で、女子大生が川に誤って落ちた際、たまたま通りかかった英国総領事館の総領事が川に飛び込んで、女性を助けたことを引き合いに出して「そこには、英国総領事はいなかった」と皮肉ったコメントもあった。北京日報が報じている。
自殺した少女は17歳の高校生で、家族らの話によると、学校の成績やボーイフレンドの問題で悩んでいたらしく、発作的に川に飛び込んで自殺したのではないかという。
たまたま川岸に通り合わせた近所の人々が警察に通報。多くの野次馬が集まり、警官の説得の模様や少女の様子を撮影、その映像がネット上で公開された。その動画には、「困ったことがあったら警察を呼んで、という耳慣れたセリフだが、現実にはそうはいかない」とのコメントのほか、「中国内ではこうした事故が相次いでいる。警察官の訓練が不足しており、突発的な事故に対応ができないからだ」と指摘する声も出ている。
この件について浙江省の警察署は公式ホームページに「警察は人間であり神ではない。限界もある」 「近くにいる人々は動画を撮影したりする時間があるなら、応急措置や制止をするべきだ」との意見を掲載し、住民批判を展開した。
ネット上では、「重慶では60代の英国の総領事が、やはり川で溺れた女子大生を救おうとして、自分の身の危険を顧みず、川に飛び込み、見事救助した。安徽省の警官がこの総領事のように、勇気をもって、身を投げ出していれば、少女は助かったかもしれない」などとの反論が相次いだ。その後、前述の浙江省の警察署は、コメントを消去したという。