スポーツ

PL教団の3代教祖死去で「PL学園野球部」は復活するのか?

御木貴日止氏が3代教祖になった年、KKコンビが登場(写真/共同通信社)

御木貴日止氏が3代教祖になった年、KKコンビが入学(写真/共同通信社)

 桑田真澄、清原和博、立浪和義、宮本慎也、前田健太ら80人以上のプロ野球選手を輩出した名門・PL学園野球部が活動休止となったのは2016年夏のこと。「謎の休部」の背景には、学園の母体であるパーフェクトリバティー教団(以下、PL教団)の意向があったとされ、OBたちや高校野球ファンから活動再開を求める声があるにもかかわらず、復活には至っていない。そうしたなか、教団トップが亡くなった。野球部復活への道筋にどのような影響があるのか。『永遠のPL学園』などの著書があるノンフィクションライター・柳川悠二氏がレポートする。

 * * *
 PL教団の3代教祖・御木貴日止(みき・たかひと)氏が亡くなったのは、12月5日だった。2007年以降は脳の疾患などによって車椅子生活を余儀なくされていた貴日止氏は、4日に体調が急変して病院に運ばれ、翌朝に息を引き取ったという。63歳だった。

「会員(信者)さんが気にしているのは、やはり後継者がどなたになるかです。おしえおや様(PL教団における教祖の呼称)が体調を崩されていたこともあって教団運営に大きな影響力のある奥様の美智代様か、三男二女のお子様の中から選ばれるのか。有力視されているのは、PL病院の理事長秘書をされている30代のご長男です」

 そう証言したのは、教団の元教師(布教師)だ。PL教団は後継者問題について「ノーコメントです」(渉外課)とするのみ。

2代教祖が亡くなった年に「KKコンビ」が入学

 大阪府の富田林市にあるPL教団の広大な聖地は、近鉄喜志駅と富田林駅にまたがり、正殿や信者が修行を行う錬成会館など大きな建物が点在する。小中高の一貫校であるPL学園の校舎やかつて硬式野球部が汗を流したグラウンドもまだ残っている。また、近隣には羽曳野丘陵を見下ろす大平和祈念塔やPL病院も建てられている。この聖地に足を踏み入れるには、特別なゲートで会員証を提示しなければならない。

 貴日止氏の密葬が行われていた12月8日、全国から200人近い教団教師が参列するという情報が入っていた。私は外周を歩きながら中の様子をうかがったが、人の気配はまるでなく、入場ゲート付近に喪服姿の信者が数名いただけだった。

 貴日止氏が教祖を引き継いだのは、1983年2月だ。ひとのみち教団を前身とするPL教団を立ち上げ、信者拡大に力を注いだ2代教祖・御木徳近(とくちか)氏が亡くなり、後継者に指名されていた貴日止氏が25歳という若さで神道系新宗教のトップに就く。

関連記事

トピックス

打撃が絶好調すぎる大谷翔平(時事通信フォト)
大谷翔平“打撃が絶好調すぎ”で浮上する「二刀流どうするか問題」 投手復活による打撃への影響に懸念“二刀流&ホームラン王”達成には7月半ばまでの活躍が重要
週刊ポスト
懸命のリハビリを続けていた長嶋茂雄さん(撮影/太田真三)
長嶋茂雄さんが病に倒れるたびに関係が変わった「長嶋家」の長き闘い 喪主を務めた次女・三奈さんは献身的な看護を続けてきた
週刊ポスト
6月9日、ご成婚記念日を迎えた天皇陛下と雅子さま(JMPA)
【6月9日はご成婚記念日】天皇陛下と雅子さま「32年の変わらぬ愛」公務でもプライベートでも“隣同士”、おふたりの軌跡を振り返る
女性セブン
(インスタグラムより)
「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画…直後に入院した海外の20代女性インフルエンサー、莫大な収入と引き換えに不調を抱えながらも新たなチャレンジに意欲
NEWSポストセブン
中国・エリート医師の乱倫行為は世界中のメディアが驚愕した(HPより、右の写真は現在削除済み)
《“度を超えた不倫”で中国共産党除名》同棲、妊娠、中絶…超エリート医師の妻が暴露した乱倫行為「感情がコントロールできず、麻酔をかけた患者を40分放置」
NEWSポストセブン
第75代横綱・大の里(写真/共同通信社)
大の里の強さをレジェンド名横綱たちと比較 恵まれた体格に加えて「北の湖の前進力+貴乃花の下半身」…前例にない“最強横綱”への道
週刊ポスト
地上波ドラマに本格復帰する女優・のん(時事通信フォト)
《『あまちゃん』から12年》TBS、NHK連続出演で“女優・のん”がついに地上波ドラマ本格復帰へ さらに高まる待望論と唯一の懸念 
NEWSポストセブン
『マモ』の愛称で知られる声優・宮野真守。「劇団ひまわり」が6月8日、退団を伝えた(本人SNSより)
《誕生日に発表》俳優・宮野真守が30年以上在籍の「劇団ひまわり」を退団、運営が契約満了伝える
NEWSポストセブン
清原和博氏は長嶋さんの逝去の翌日、都内のビル街にいた
《長嶋茂雄さん逝去》短パン・サンダル姿、ふくらはぎには…清原和博が翌日に見せた「寂しさを湛えた表情」 “肉体改造”などの批判を庇ったミスターからの「激励の言葉」
NEWSポストセブン
貴乃花は“令和の新横綱”大の里をどう見ているのか(撮影/五十嵐美弥)
「まだまだ伸びしろがある」…平成の大横綱・貴乃花が“令和の新横綱”大の里を語る 「簡単に引いてしまう欠点」への見解、綱を張ることの“怖さ”とどう向き合うか
週刊ポスト
インタビュー中にアクシデントが発生した大谷翔平(写真/Getty Images)
《大谷翔平の上半身裸動画騒動》ロッカールームでのインタビューに映り込みリポーター大慌て 徹底して「服を脱がない」ブランディングへの強いこだわり 
女性セブン
映画『八日目の蝉』(2011)にて、新人俳優賞を受賞した渡邉このみさん
《ランドセルに画びょうが…》天才子役と呼ばれた渡邊このみ(18)が苦悩した“現実”と“非現実”の境界線 「サンタさんを信じている年齢なのに」
NEWSポストセブン